限界突破型のジョイントベンチャー

遠江(とおのえ)です。

◆限界突破型の重要性

買い手市場の時代に、ビジネスを発展させようと思えば、次々に自分で課題をつくって乗り越えていく限界突破型でいかないとうまくいきません。

マンネリ化したものや時代の流れに合ってないものは、どんどん顧客から去られてしまうからです。

一方、常に新しいアイデアを出して付加価値を創造しているところは、うまく当たれば一人勝ちすることも多いのが今の時代の特徴です。(2015年11月現在)

大きな例ではマクドナルドが長期低落傾向から抜けられないところに、バーガーキングが新しいアイデアでマーケティングを仕掛けて、ひじょうに元気です。

マクドナルドのカサノバ社長は、以前、商品開発担当で多少ヒットを出したのが忘れられず、とにかく新商品さえ出せば業績回復すると思ってやっていますが、私に言わせれば的はずれです。

地域ごとに値段を変えたり、店が汚かったり、食品衛生が疑われて信用を落としたのが原因なのに、セブンイレブンのような業務の抜本改革が一向にできていません。

対するバーガーキングはマクドナルド出身の日本トップに、同じくマックの店長出身のマーケティング担当が、明確にビッグマックを標的におもしろい差別化戦略を仕掛けてポイントをどんどん上げています。

これは「どこに課題を設定するか」という智慧と、「いかにその課題を乗り越えるか」という力の差が出ているのです。

間違った課題を設定したり、手を付けるべきだが抵抗も予想される根底からのイノベーションに挑戦するのを逃げていては、顧客は集められないのです。

すべて限界突破力の強弱によって成果が決まってきます。

◆ジョイントベンチャー

一方、斬新なアイデアを出し続けるには、一方向からだけの専門知識では難しくなっています。

シュンペーターが提唱した異質結合によるイノベーションを起こさなければ、どうしても”よく似た発想”しか出てきません。

だから個人事業でも起業でも、異質な智慧を持っている人と組まなければ、なかなかブレイクスルーはできなくなっています。

「異質な智慧」を借りてくる方式として、コンサルタントを入れる、という伝統的なものがありますが、私はその効果に懐疑的です。

私も個人コンサルはやるので、パーソナルな問題解決に個別セッションは有効だと思っていますが、事業主が限界突破するときに外部からただアドバイスを受けるだけで大きな変革ができるかといえばかなり難しいと思っているからです。

やはりダイナミックに壁を打ち破り続けるには、ジョイントベンチャーのかたちでがっちりタッグを組まなければ、実績を上げるところまでやってのけることはできないと考えています。

だから事業の限界突破には、単にコンサル料をもらうかたちのアドバイザーではなく、成果を出す責任を共有した軍師が必要でしょう。

人は成果報酬型でなければ本当に力は出さないものなのです。

◆成果へのコミットメント

もちろん同じ社内の同僚ではなく、独立した異分野のトップ同士ですから、一種の緊張感はあると思いますが、それを凌駕して新しいアイデアが湧き出る価値はかけがえのないものです。

だいたい本当に成果が出る限界突破が起きるときは、社内でやってもその推進を担う中心人物は辞表を賭けてやっています。

仲間内の調和を第一に考える人物では、最初は大勢が反対する斬新な案を実現しきれないのです。

またどこかの一流コンサルタント会社の人間を入れても、成果へのコミットが中途半端なので、そううまくいきません。

お互いにこのプロジェクトを成功させなければ明日はないと覚悟している大人同士が力を合わせないと、破砕帯は突破できないのです。

だから江戸時代の改革でも二宮尊徳のような、魂ごと相手の事業に入って戦った人が、偉大な成果を上げています。

現代では故一倉定さんのような特異なコンサルタントだけが、深いコミットをして多数の会社の業績アップを実現されました。

同じ智慧を出すのでも、外野から言うのではなく、ジョイントベンチャーをするつもりでやらないと、成果まで一気通貫した限界突破はなかなかできないと思っています。

◆圧倒的なコンテンツの質と量

ただ、私は相手の会社に寝泊まりをして、一緒に汗を流すスタイルを指向しているわけではないのです。

それより現代の限界突破において大事なのは、圧倒的なコンテンツの質と量です。

この場合の「コンテンツ」とは、「実戦で使える生きた智慧」のことです。

実際にいま目の前に現れている課題を越えていくための方法論のことです。

この智慧は、さまざまな分野の異質結合から生まれやすいので、智慧のコントロールセンターは、いろんな業種に目配りしつつ、ジョイントするパートナーに限界突破の智慧を提供すべきだと私は考えています。

絶妙な距離を置くところから、相手にカスタマイズした解決法や突破法を届けていく、このようなジョイントベンチャーが最も成果を上げやすいと思っています。

そのためには、不断の精進をしながら圧倒的なコンテンツの質と量を生産し続ける必要があります。

他の軍師には到底追いついてこれないほどの発想力と、責任感と、勇気が問われることでしょう。

これがこれから大きく発展する限界突破型のジョイントベンチャーの理念です。

それではまた。

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