セミナーで話す内容をどうつくるか

遠江(とおのえ)です。

セミナーを開く場合、やはりいちばん大事なのは「話す内容をどうつくるか」ということだと思いますので、
私の智慧をお伝えします。

ちなみに私は、かなり高額なものを含めた有料のものだけで、3万人以上をセミナーで導いていますので、語る資格はあるのではないでしょうか。

まず最初は「俯瞰法」と「チューブ法」についてお話します。

前提としては、一定の話す内容はすでにある、という基礎ができているレベルの方向けの話になることをお断りしておきます。

ただまったくの初心者にも、おもしろく読んでもらえる内容ではあるでしょう。

◆俯瞰法

さて「俯瞰法」というのは、天から眺めるように話す論点を立てていくことをここでは意味します。

私がよくやるのは3点法で、このテーマなら第一はこれ、第二、第三はこれ、というふうに論点を立てていきます。

3つにまとめるのは、一時間ぐらい話すとき、これ以上論点を増やすと聴いている方は頭がこんがらがってくるからです。

そして、3つの論点を立てたら、今度はそのそれぞれに、さらに3つほど小論点を立てていきます。

3つの切り口で1つの論点を話していくイメージです。

そうすると、全部で小さくは9つの論点が揃いますので、これを膨らませば一時間ぐらいの話には十分なります。

しかし、聞き手には「3つの話があったな」という具合にシンプルにつかんでもらえるように心がけます。

複雑な話だという印象を持たれると、満足度は必ず下がりますので。

シンプルだったけど、内容は深かった、と思ってもらえるあたりをねらいます。

で、この「俯瞰法」で論点を立てる人は多いのですが、これでいきなり前に立って話すと、初心者ほどすべります。

だから、次の「チューブ法」が必要になるのです。

◆チューブ法

「チューブ法」というのは実は私の命名で、俯瞰で論点を立てても、実際話すときは時間のチューブの中を一歩ずつ前進していくことになるので、こう呼んでいます。

聴衆の満足度とは、論点の立て方がよかったから上がるのではなくて、話の流れがおもしろかったので上がるわけですから、チューブ法で話の流れを整備しておく必要があるのです。

もちろん達人クラスになると、論点だけ立てておけば、自動でおもしろい流れをつくれますし、さらに名人になればテーマさえ決めておけば、当意即妙に良い話ができるものですが、初心者には勧めません。

私も最初はチューブ法で、レジュメを一文一文、考えぬいてひねり出していました。

「。」で句切られた一つの話を「一文」とすると、セミナーでは一文一文でヒットを打っておかないと、すぐ聴衆に飽きられます。

もし二文凡庸なことを喋ってしまうと、もう聴衆の表情は陰り、三文それが続くとあくびが出ます。

だから一文一文に智慧の煌めきを込めながら、9つの小論点を縫うようにしてチューブの中を進んでいく必要があるのです。

さらに達人の技として、ところどころで「脱線」しておいて、話題を広げて興味をさらに引き付けることをしますが、ここでは話をシンプルにするため割愛します。

とにかく、自分でもそれをおもしろいと思えるかどうか、あたりを基準にして、チューブ法で一文一文つくっていくことを私は何百回も繰り返しました。

しかし、本番でそのレジュメをただ読むだけでは、聴衆を正しく見れていないので、これまた失敗します。

だから「ライブ法」がもう一つ必要になるのです。

◆ライブ法

この「ライブ法」も私の命名です。実はいまつくりました。(笑)

ただし、決してでっち上げたのではなく、いつも心がけてきたことなので、真実性はちゃんとあります。

この「ライブ法」の真髄は、きっちりチューブ法でつくってきたレジュメも、聴衆を前にしたらいったん捨ててしまうことです。

そして、目の前の聴衆を喜ばせることだけを考えて、話を進めていくのが「ライブ法」です。

なぜレジュメをいったん捨てるのかというと、それは現実に前に座っている聴衆が、自分の予想したものとは違っていることが多いからです。

わかりやすくいえば、若い男性が多いだろうと思って用意してきたら、意外に中年女性が多かった、というようなことです。

「このテーマなのに、こういう人達が来る?」といった予想外のことが往々にして起こります。

そのとき、若者向けに準備してきたレジュメにこだわっては、失敗が目に見えています。

だから、どこまでもライブでは目の前の聴衆に向けて話をしていかねばなりません。

でも、「俯瞰法」「チューブ法」でしっかり準備してきたことは、決して無駄になりませんのでご安心を。

体験的に言って、よく考えを練ってきた話は、対象を変えてアレンジしても、それなりに受け入れられるものです。

とにかく、本番では「ライブ法」に徹することです。

どんなに学者的に準備してきたとしても、舞台の上ではエンターテイナーに徹するべきなのです。

◆まとめ

以上、セミナーで話す内容をつくるときには、私は「俯瞰法」「チューブ法」「ライブ法」をお薦めします。

そして、この年季を積んでいくと、次第に「チューブ法」で事前準備する必要がなくなり、ライブで同時に「チューブ法」をやれるようになるでしょう。

ただし、老婆心ですが最初はとことん事前準備をしておくことをお薦めします。

「仕込み十倍の法則」と私は呼んでいますが、実際に話す時間の十倍は時間をかけて準備しておくとよいでしょう。

それではまた。

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