一入口に一出口の原則
遠江(とおのえ)です。
◆オファーの鉄則
ダイレクト・レスポンス・マーケティングにおいては、メルマガで販売を行うのが肝です。
その販売に大切な智慧が「一入口に一出口の原則」になります。
これは私の命名ですが、要するに、一つの入口に、用意する出口は一つ、という意味であり、言葉を換えれば「オファーするときは一回に一個にしましょう」ということです。
なぜかというと、オファーを増やして複数の出口をつくると、読者を迷わせ、よそへ逃がしてしまうからです。
「迷った脳は常にノーと言う」と言うとおり、読者を迷わせたら否定的な答えしか返ってこないのです。
相手を迷わせないためには、常に「一つのメールでオファーするのは一個」にとどめておく必要があるのです。
そして、一つに集中してわかりやすくオファーし、いいなと思ってもらい、購入してもらうべきです。
販売が上手い人はみな、「一入口に一出口の原則」を貫いています。
◆スケベ心を出すべからず
でも私が見るかぎり、一回に複数のオファーをしている人がけっこういらっしゃるんですね。
幾つもの商材を説明しようとしたり、あるいは文中にリンクをいくつも貼ったりしているケースです。
たとえばなぜ文中にリンクを貼ると、いけないのかというと、もし読者がそのリンクに飛んでくれたとして、そっちを読み終えてから、もう一回元の文章に戻ってきてくれることは少ないからです。
また戻ってきて元の文脈を思い出してから続きを読むというのは、相当ストレスがかかる作業ですので、めんどくさいことは人はやらないのです。
無料で取っているものは、もともと読者もそれほどコミットしていませんから、読むストレスを最小限に抑える必要があります。
「前のメルマガに書いたことだから、リンクを貼って読んできてもらおう」と親切心でやったことが、結果的に、読者を別の出口に案内し、二度と戻ってこないわけです。
だから、出口はあくまで一つにするべきなのです。
また、関連商品をいくつも説明されるのも、読む気をなくす原因になります。
「わかりにくい」とか「めんどくさい」と思われるだけですので、やめておくのが正解です。
全部説明しないと機会を逃がしてしまうという心理は、結果として二兎を追う者一兎も得ずという失敗を招くのです。
◆複数オファーはNG
私がこれまで一緒に仕事をしてきた人や、見てきた人のなかで、一回に複数オファーをする人で、よく売っていた人は一人もいません。
ところがこれは販売の現場を知らない人の浅知恵で、売る方も売られる方も、集中力が分散して成果は出ないのです。
顧客心理が読めない人は、部下の心理も読めません。
一方、販売や交渉の実戦で成果を上げてきた人は絶対にそういうことはしません。
真剣勝負の場では、わかりにくいオファーをした瞬間、すべてがそこで終わりになると骨身に沁みてわかっているからです。
だいたい企画提案をするときは、3秒で成否が決まります。
パッと出して「うんいいね」という反応が取れなければ、あとでいくらがんばっても成約はまずしません。
むしろ第一印象で「いいね」を取ってからが勝負で、細心の配慮で疑問を一つひとつ潰していってはじめて、最終的に購入をしてもらえるものなのです。
ましてやネットでものを売ろうというときには、相手の反応が見えませんので、とにかく「一回に一つ」の原則で、シンプルにわかりやすくオファーするべきなのです。
◆まとめ
とにかく、メルマガでオファーするときは「一入口に一出口」です。
どこにも逃さずに最後まで読んでもらい、最後でこちらの売りたい商材をオファーする。
クロージングの際に不安点や疑問点として出てきそうなものは、すべて事前に潰しておく。
これがあなたにとっていかに必要なものか、というベネフィットを、誤解の余地がないまでに腑に落としてもらう。
すべてをうまくやって、それでも成約率は十人に一人取れたら御の字です。
そこまでやっても九人の人には断られる。
だから、出口をいっぱいつくっている暇などどこにもないのです。
これは数多くの体験から導き出された智慧ですので、よくよく心に叩き込んでおくことをお薦めします。
ではまた。