リピーターづくりの秘訣

遠江(とおのえ)です。

商売のコツはリピーターをつくることに収斂します。

なぜなら、新規顧客を開拓するのには最もコストがかかるからです。

「それ以外の理由」とは、縁あって私と関わってくれた方に、幸福になってもらいたいと願っているからです。

人生で出会える人というのは限られていますので、この狭い地球で同時代に出会えた方はできるだけ大切にしたいというポリシーを持っております。

◆クライアント

そういう意味を込めて、私は自分のセミナーに一度でも来てくれた人のことはすべて「クライアント」と思っています。

売ったらそれで終わりではなくて、買ってくれた方が成功するところまでコミットする、というのがクライアントとの正しい関係です。

もちろん私も有限な時間とエネルギーのなかで生きていますので、優先順位というのはあります。

何度もお金を払っていただいたクライアントと、一度きりの方で実際のサービスには濃淡をつけざるを得ません。

しかし、思いにおいては、そんなことに関わりなく、いちどお世話した人のことは「クライアント」と思っていますし、できるだけの力になりたいと考えているのは事実です。

たとえばメルマガの発行は無料で行っていますが、読者のことはこちらで勝手に「クライアント」と思って情報を発信しているのです。

そして、できればその方が成功し、幸福になるお手伝いができれば嬉しいと心から思っています。

◆相手の「困った」を解決する

仕事とは、相手の「困った」を解決することだ、と言っている起業家の方がいますが、言い得て妙だと思います。

まさに私の仕事はクライアントの「困った」を解決することです。

まぁ最終的に解決するのはご本人で、私はその手助けをするにすぎませんが、それでも「困った」を解決するところまでコミットするのがコンサルタントのプロです。

メルマガやセミナーとコンサルの違いは何でしょう。

それは、メルマガやセミナーは一般的な解決法を説きますが、コンサルではクライアントに合わせてカスタマイズした解決法を示すところにあります。

結局、人の悩みは千差万別なので、本当に悩みを解決しようと思えば、その人のかゆいところに手が届くような解決法が必要になるのです。

そして、悩みの時間を短縮するには、一般的な解法を聞いて我流で応用するより、優れたコンサルに付いてもらうほうがよっぽど早いのです。

つまり、人生の時間は有限なので、お金で時間を買うほうが賢い、と私は思っています。

私もわからないことは先生にどんどん訊くタイプですが、やはり習うのと実際にやってみるのとでは大違いで、必ず自分なりにわからないところが出てきます。

そこで長時間立ち往生していると、やる気そのものが失せてくるので、いち早く問題解決法を先生に訊いたほうが絶対いいのです。

我流で実践しているうちに、まったく違った迷い路にさまよい込むこともあるので、ガイドを雇うほうがよほど安上がりです。

しかもお金をケチって下手なガイドを雇うより、多少値が張っても優秀なガイドについてもらったほうが、結果的に得をします。

◆相談する側の智慧

コンサルに相談する場合、こうやるといいのは自分の悩みや希望をできるだけわかりやすく言葉にすることです。

相手も人間ですから、きちんと言葉で説明すればしただけ、それに沿った具体的な解決法を教えてくれます。

服を誂えでつくることを「ビスポーク」と言いますが、これは「Be Spoke」から生まれた言葉であり、「テイラー(服作り職人)に自分の希望をよく話すべし」という意味です。

言葉少なにしていれば、相手が察してくれるだろう、と思っていると、だいたい自分の望みと違った結果になりますので、よくコミュニケートすべきです。

ただし、わかりにくい言い方でくどくど喋ると話がこんがらがるので、できる限りぴったり来る表現を探しながら、悩みや希望を告げてください。

でも、難しく考えすぎることもなく、要は親しくなればだいたいこちらの意思はよく伝わります。

「ビスポーク」しながら、自分にカスタマイズされた解決法をアドバイスしてもらうのが、いちばんの道です。

◆コンサルする側の心得

逆に、コンサルする方は、相手のニーズを正確に把握しながら、きちんとオーダーメイドした解決策を示す必要があります。

そのコツを、私なりの言葉で言えば、「相手に呼吸を合わせた上で導く」ということになります。

どういうことか解説しましょう。

コンサルはクライアントより圧倒的な知識と実践をしていることが前提ですが、それだけではうまくいかないのです。

よく相手に呼吸を合わせず、自分のペースでどんどん説明する人がいますが、それだとクライアントは戸惑うばかりでこちらの言葉が心に入らないのです。

だから相談者の悩みを聴きながら、相手が弱い呼吸をしていれば、こちらも弱く合わせていき、相手が強い呼吸をしていれば、こちらも強い呼吸で合わせていくべきなのです。

そうしているうちに「息が合う」状態になると、ひじょうにスムーズなコミュニケーションが取れるようになり、アドバイスがよく通ります。

ただし、相談者というのは基本的に悩んでいますので、ただ相手の呼吸に合わせているだけだと、一緒に迷路に入ってしまうことがあるので、
コンサルする側は、途中から徐々に悩み解決の呼吸へ相手を導いていく必要があります。

いったん相手に合わせて同調したのち、徐々に力強く導いていく呼吸が要るのです。

呼吸にはその人の人格といまの状態が正直に現れてきますので、コンサルは呼吸の達人である必要があるのです。

禅とか瞑想や武道の素養は、そういうときに効いてきます。

ちなみに私は全部やっております。

◆まとめ

コンサルをして、人と呼吸を合わし、導いていくと、そのこと自体に大きなやりがいと喜びが出てきます。

それは人の役に立つやりがいであり、人間が好きになる喜びであると思います。

そして末永いお付き合いのなかで、相手も伸び、自分も伸びる、そういう関係が最も幸福な関係だと私は考えています。

いちど買ってくれた人を大切にする、ことが、やがて出会う人々すべてを大切にし、
いずれは出会っていない人をも大切にする、太陽のような存在になることが私の理想です。

ありがとうございました。

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