【アイデア増強】の秘密
遠江(とおのえ)です。
事業は結局アイデアの勝負です。いえ、芸能も芸術も政治も宗教も、つまるところアイデアの勝負なのです。
そこで、すべてを制するそのアイデアを増強するための私なりの智慧を述べてみたいと思います。
この「アイデア増強法」に関しては、私自身長年の研究と実践がございますので、例によって柱を何本か立てながら、順に解説してゆきます。
◆好奇心
アイデアの始まりは、やはり「好奇心」であると私は思います。
「好奇心」とは「奇なるものを好む心」です。
「何だそれは?」というものを見たら、おもしろいと思って近寄って確かめる傾向性といってよいでしょう。
どんなふうに好奇心を発揮するかというと、たとえば以前私は「塩対応はやめておいたほうがいい」と言いましたが、一方で島崎遥香はおもしろいと思ってたまにウォッチしております。
好意的に見れば、頭がいいし、正直で嘘を言わないし、可愛いので、「なるほど話題になるだけのことはあるな」と感じています。
前に番組でセレブ妻たちが出たときに、こぞってAKBの中では島崎遥香がいい感じだしセレブ妻になれる素質がある、と言っていたのも興味深く観ていました。
言動に対して異論があることと、好奇心とは矛盾せず、ひとつの研究対象としてありがたく拝見しているのです。
それ以外に、たとえば私は逍遥を兼ねて街をよくパトロールしますが、楽器屋に入れば一番高いギターを試奏させてもらいます。
この前も300〜600万円するガットギターを何本か弾いてみて、超一流の音色とはどういうものかを確かめてみました。
それぐらい高価なギターになると店員もつきっきりで、ちょっとうるさいぐらいいろんな説明をしてくれたので、お陰で1964年以降のスペインとドイツのギターが最高の出来であるという知識が仕入れられました。
また伊勢丹の鞄売り場に行けば、一番高い鞄を出してもらい、靴屋に行けば、一番高い靴を試し履きしてみたりします。
最高級のものを知れば、その業界にどんな智慧が流れているのか上からつかめますので早いのです。
もちろん買うときは買いますので、決していやな冷やかし客ではないつもりです。
まぁ事例を出せばきりがないぐらいに、いろんなことを好奇心を持って確かめているのが私の日常です。
なぜ好奇心がアイデアにとって大事なのでしょう?
それは、奇なるものに関心を持って、たくさんのインプットをしてゆくから、奇なるアイデアをたくさんアウトプットできるからです。
アイデアとは、つまるところ「奇なる発想」に他なりませんので。
平凡なインプットばかりしていたら、平凡なアウトプットしかでないということです。
もちろん平凡なものの中から、非凡な発見をすることも好奇心ではありますが。
◆アウトプットのテーマを持つ
次に、アイデア増強のポイントとなるのは、「自分なりのアウトプット・テーマを持つ」ということでしょうか。
やはり、出そうと思うからいろんなものが入ってくるのは真理ですので。
つまり、ひらめきが出るのは、何かアウトプットのテーマを持ちながら生きているときだということです。
いまの私であれば、サイトに論考を書き貯めていますので、無意識にでも常に書くべきテーマを求めています。
そうすると、そのテーマが磁石となって、いろんなアイデアを引き寄せてくるのです。
テーマを持ちながら、街をのんびりと逍遥しているとき、必ずといっていいほど何か思いつきます。
朝風呂に入ってリラックスしているときも、よくいろんなことを思いつきます。
人と喋っていてもいろんなことを思いつくし、本を読んでも新聞を読んでもネットを見ても、いろんなことを思いつくのです。
それは、やはり自分がアウトプットすべきテーマを持っているので、それが磁石になっているというしかありません。
テーマを持たずにぶらぶらしているのとは、同じようにのんびりしていても、何かが違うのです。
この無意識にアイデアを引き寄せてくるテーマ設定の働きは、何度強調してもし過ぎることはないと思っています。
◆ひらめきを上手につかまえる
そして、いろんなことを思いつくようになったら、そのひらめきを上手につかまえることが大事です。
つかまえそこねると、ひらめきというものは淡雪のようにすぐ消えてしまいますので。
だから私はよく言うのですが、飛んでくるアゲハ蝶をうまくつかまえるように、ひらめきをキャッチすべきと思っています。
具体的には、何か思いついたらその場でメモすることです。
それは文字通り紙に書くメモでもいいし、スマホにちょっと打ち込んでおくだけでもいいし、どんどん思いつきが出てくるときは、スマホを録音状態にして喋ることも私はします。
この前、家の近くを散歩していたら、ちょっと前に聴いた細野晴臣がいしだあゆみにプレゼントした「ひとり旅」という曲が頭の中でリフレインして止まらなくなり、何度振り払おうとしても繰り返し出てきたことがありました。
それで、「これは何か意味があるのかな。ひょっとして私に何か作曲しろとでも言っているのか」と思ったら、不思議なことにその曲が鳴り止んだのです。
で、歩きながら思いつくメロディーを口笛で吹いていたら、どんどんテーマのメロディが発展しだしたので、スマホで思いついた部分を録音していったら、一時間足らずで一曲できてしまいました。
実は、私は若い頃ミュージシャンを志した時期があって、何十曲かはオリジナルの曲を作詞作曲しているのです。
でも、歩きながら一曲できてしまったことは始めてでした。
何か細野晴臣の「ひとり旅」が、私に作曲を促したら使命を果たして虚空に消えた気がして、不思議な気持ちがし、「ありがとう」と虚空に言っておきました。
とにかくどんなひらめきが来るか予想がつきませんので、ひらめいたらアゲハ蝶をつかまえるようにうまくつかまえてください。
◆異質結合
そして、ひらめきが貯まってきたら、異質結合を試みると、アイデアが発展します。
「イノベーションは異質なものを結合して起きる」というのは天才経済学者シュンペーターの言葉ですが、私はほんとうによく使わせていただいております。
たとえば音楽業界で発見したことを、マーケティングに持ち込んでみる。
テーマパークへ行っておもしろかったことを、セミナーのソフトづくりに応用してみる。
宗教の本を読んで発見した法則を、政治問題に応用して考えてみる。
とにかく異質なものを組み合わせると、いままでにないものがどんどん生まれやすいのです。
それは、いつも同じ会社の同僚とばかり話していると煮詰まってくるのに、他業種の人と話すとアイデアが出やすかったりするのと一緒です。
あと、歳の離れた人と話したり、興味を持って観察すると、異質な発想は生まれやすいです。
私も若い友人をつくっていろいろ話したことで、ずいぶん新しい世界を知ることができました。
「原宿にフェアリー系というおもしろい娘たちがいる」と聞けば、数日後、竹下通りに出没してみたり(笑)、
10代の子に誘われてビートルズの曲を演るバンドにヴォーカルとして参加してみたり(笑)、
いろいろやってます。
やはり未来は若い人の中にあるので、先輩として教えるだけじゃなく、逆にこちらが生徒として学ぶ気持ちもあっていいと思います。
あと、外人の友達なんかもいいですね。私もブラジルに住んでいたときは、たくさんそういう知人を持ちました。
◆自分のライブラリーを持つ
最後に、やはり「読書の効用」は大きなものがあります。
優れた本は、優れた人のアイデアの塊ですから、それに触れ、それと対話していると、こちらもアイデアが出やすいのです。
そのとき大事なのは自分の蔵書を家に持つことです。
これは渡部昇一さんが『知的生活の方法』で強調していることですが、折に触れて手に取れる書物をどれだけ所有しているかで、知的アウトプットの質量は決定的に左右されます。
私はいま自宅に六千冊の本と千点のDVD、CDがあり、全部で七千点のささやかなライブラリーですが、それでも本棚が23本になって4つの部屋と廊下を使っています。
ですから自分のライブラリーを持つには、空間を確保する戦いに勝たねばなりませんし、それには一定の財力が要るのです。
しかし、それがあるお陰で、何か思いついたとき「あそこに関連書があったな」とすぐ手に取って読み返すことができ、それでアイデアが膨らんで、こうした論考記事を量産することができております。
私もいまコンテンツづくりに専念できる環境を得ましたので、さらに蔵書を充実させ、ゆくゆくはもっと大きな家を確保しようと考えています。
蔵書からアイデアが生まれて富に変わり、またその富を使って蔵書を充実させる。
こういうプラスの循環が起これば、アイデア増強の道は王道に入ると思います。
◆まとめ
以上、アイデアを増強するには、①好奇心、②テーマ、③ひらめき、④異質結合、⑤ライブラリーがあればよい、という話をしました。
アイデアこそ富の源泉です。
そしてアイデアこそ未来を創る原動力です。
アイデアはちょっとした心がけで何倍にも何十倍にも増強できます。
私自身もそうありたいし、またアイデア増強する人をたくさんつくりたいと願っております。
それではまた。
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