田中角栄の富伝道
遠江です。
世は今、田中角栄ブームだということを知っておられましたか?
2016年1月20日に、石原慎太郎が幻冬舎という出版社から『天才』というタイトルで、田中角栄の擬似霊言を出して4月11日時点で30万部突破の大ベストセラーになっているのです。
「擬似霊言」というのは、もし本人が霊界にいて喋るとしたら、こんなことを言うだろうということを作者が創作したということです。
私が読んでみて、冒頭の書き出しはそれっぽいが、あとは全部、石原慎太郎の語り口にしか思えないのですが、元東京都知事が元総理を語ったということで、話題性は抜群だということでしょう。
ところが霊言の本家本元の大川隆法が、2016年4月27日に『天才の復活 田中角栄の霊言』を出したから、話は本格的になりました。
この方の霊言は「本物」ですので、これは読まない手はありません。
さっそく精読してみたところ、驚いたことに田中角栄は富伝道を語っておりました。
以下、重要部分を抜粋しながら解説してまいります。
◆金儲け論
「田中角栄が今の世の中に生まれたら何をするか」という質問に対して、角栄霊はこう答えました。
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やっぱり会社を創って、まずは金持ちにならないと駄目よ。
お金をつくらないと、政治なんかできやしないや。(p112)
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君らねえ、政治家を目指そうが、財界人を目指そうが一緒だけど、同じ時代に生きて、同じような客観的環境下で、同じ条件を与えられて、そのなかで一人抜け出して金儲けできないと、基本的に何やっても成功はしないんじゃないですか。(同)
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田中角栄は、自分だったら起業してまず富を得ると言っています。
会社を創ったばかりの私としては、膝を打って「そうだ!」と嬉しくなりました。
富を得る力を持たなければ、何をやっても成功しない、ということを角栄霊は強調しております。
さらに、こう続けています。
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スポーツだろうが、歌手だろうが、タレントだろうが、みんな金儲けうまいよね?
一流になるとな。
現在は、お金のところで換算されているからさ。
だから、君らのやることに、何て言うのかな、うーん、「収益性」がなかったら続かないわな、仕事としてな。(p113)
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一流クラスになると、イチローだって、矢沢永吉だって、松本人志だって、みんなお金儲けは上手です。
いまは、その人の実力は収入額の大きさのところで計られる時代だ、と言っているわけですね。
われわれも自分の行動に富が伴わないと、その仕事を継続していくことができません。
だから、富を得るための智慧が大事なのです。
◆問題解決
次が白眉です。
角栄霊が、金儲けの真髄を明かしています。
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やっぱり、金儲けのもとはね、「問題解決」なんですよ。(p116)
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ここは、私は三重線を引いて付箋を貼ってあります。
「富を得るには問題解決せよ」という悟りの言葉です。
人の問題解決をしたらお金が入ってくる、という真理だけは決して忘れてはなりません。
その心は角栄さんご本人に語ってもらいましょう。
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人が何か問題を抱えているとね、それを解決してくれる人がいたら、やっぱり「感謝」されるわけよ。
感謝されると、それは何らかのかたちで、その感謝が「現実化」するわけよ。
それは、物が来る場合もあれば、お金が来る場合もあるし、その感謝が「現実化」するわけよ。(p116)
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問題解決は感謝を呼び、感謝は富に変わる、ということを言っています。
政治家が地元民の陳情を解決してあげたら、みんな感謝して、それはお中元も来るでしょうし、
コーチがクライアントの課題を解決したら、相手は感謝して、顧問料が入ってくるわけですね。
そして、問題解決を生業(なりわい)とするための心がまえを、こう続けます。
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(政治家の卵たちに対して)「よろしくお願いします」ばっかり言うとるんかもしらんけども、「何か困ったことはございますか?」って聞いて、向こうがそれを言ったときに解決できるかどうか、考えてみたらええ。
できんかったら、票は入らんのだよ。うん。(p116)
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問題解決を生業にするのなら、「何か困っていることはありませんか?」というリサーチが不可欠だと言っています。
そして、悩みを特定できたら、全力でその解決に当たる。
それができたら富は入るし、できなかったら一文にもならないということですね。
◆智慧のアウトプット
さらに、0(ゼロ)から出発して富を得るための秘訣が語られています。
まさに富伝道の奥義。
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そういうことで、現実にはお金があればいいんだけど、ない場合に、
お金なくして人を動かすためには、やっぱり、
あなたの頭のなかにある「知恵」を、口を通して出すことによって、いろいろな人たちに何らかのサービスを与える、付加価値を与えることが大事だ。(p160)
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これこそまさに、智慧をアウトプットして富に変える、富伝道の真髄ですね。
資本を持たない者が起業するとき、富伝道以外に道はなし。
道(智慧)を伝えて、富を得る一本道があるだけです。
そして、富伝道を始めるときの心がまえがさらに語られます。
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やっぱり、あなた、何か“武器”は持ってなきゃいけないですよ。
“武器”をつくらなきゃ。
とにかく“武器”をつくらなきゃいけない。(p161)
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この「武器」とは「USP(ユニーク・セリング・プロポジション)」のことであり、これこそが「ポジショニング」の大切さなのです。
つまり、「自分にしかない強み」を生かして、「ユニークな立ち位置」を確保することが、富伝道で成果を出すために必須ということですね。
いやぁ、まさか田中角栄さんにここまで富伝道の真髄を語っていただけるとは思いませんでした。
◆叩き上げと理論派
ちなみに著者の大川隆法さんは、あとがきでこう語っています。
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田中角栄は、どちらかというと私の好きなタイプの政治家である。
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浪花節が似合う叩き上げの成功者に対して、好意を表明されています。
人々の「困りごと」を丹念に拾い集めて、それを解決して回る、昭和の今太閤としての実行力を、最大限認めておられるということでしょう。
私も角栄さんが大好きです。
自分もそうありたいと願っています。
さらに大川師は、同時に、頭のいい理論派の人も好きである、ともおっしゃっています。
つまり、叩き上げの人というのは「たとえば」という具象化の人であり、
理論派の人は「要するに」という抽象化の人であり、
富伝道に大成功するためにはどちらも必要だと、私も考えています。
とまれ、その前者の「叩き上げの偉人」田中角栄さんに、改めて富伝道の真髄を教えていただきました。