映画「君のまなざし」を観て
遠江(とおのえ)です。
昨日封切られた映画「君のまなざし」を観ました。
目に見えない世界を描いた神秘的な作品で、いくつもキラリと光る場面があり、2回ほど涙が流れたのを覚えています。
主演の3人、梅崎快人、水月ゆうこ、大川宏洋さんらは、これから芸能界で大活躍するでしょう。
ただきょうは、単なる映画の感想ではなく、
文章力の観点から「君のまなざし」を見てみたいと思います。
◆原案と脚本
この作品は、大川隆法・原案、大川宏洋・脚本によってできています。
「原案」と「脚本」とは、いかなる関係性なのか。
それは私の理論を当てはめれば、俯瞰法で原案をつくり、チューブ法で脚本を書いていく、というつながりになります。
つまり、高所から全体を眺め渡し、「こういうテーマで、これとこれとこれを入れる」というのが俯瞰法。
その論点をもとに、「その論点をなぞりながら、主人公たちがこういう場面でこういう会話をしながら物語が進行する」というのがチューブ法ですね。
この場合、まず論点出しに独創性がなければ、そもそもいい映画にはなりません。
原案が優れているから、いい骨組みが出来上がるのです。
さらに、物語の流れをつくる力がなければ、観ていて面白い映画にはなりません。
観客を、2時間引っ張っていかなければならないわけですから。
俯瞰法で見てもよし、チューブ法で見てもよし、という作品が名作になると考えるゆえんです。
◆私の捉えた論点と流れ
私が感じた「君のまなざし」の論点は3つ。
1、過去世と今世の因縁を書く。
2、多重構造の神秘的な構造とする。
3、この世とあの世が不思議な流れでつながっている様を伝える。
本当の原案はもっと踏み込んだものに違いありませんが、私なりに俯瞰でポイントを捉えたら以上のようになります。
で、このアイデアを今度は時間のチューブの中に入って、物語として編んでいくのが脚本の腕ということですね。
最初と最後がつながっていて、その途中を意外な場面展開を重ねながら一気に川下りするようにつくられていました。
論点と流れ。
論点の斬新さ、流れの流暢さ・意外性。
こういうものが発揮されている映画だったと思います。
◆それを文章力にどう転化するか
で、私たちの書く文章も、論点と流れが大事なのですね。
どれだけおもしろい論点を考えつくか。
いかにその論点を縫って、うまい流れをつくれるか。
大きくこの2つがよければ、富を得る文章になると思います。
ただ、それは言うは易く、行うは難しい道でしょう。
なぜなら、その下に細かいたくさんの智慧が必要になってくるからです。
それをここ数日で洗い出してみて、現在30個ほど出てきております。
まだ増えるでしょうし、セミナーでそれを全部お話しできるとも思いません。
ただ、いい映画を撮るのも、いい文章をかくのも、極めてやりがいのある、おもしろい営為だと思いますね。
そういう息吹と智慧の大事な部分をこのセミナーで伝えたいと思います。