問題解決を富に変える
遠江です。
きょうは『富伝道のススメ』の1、2章あたりを念頭に、「富を得ることのできる智慧」についてお伝えしていきます。
1章は「人の役に立つ智慧を出す」、
2章は「悩み解決の智慧」、
ここのところですね。
富を得ることのできる智慧とは、需要に応えている智慧のことです。
何らかの需要に応えたからこそ役に立ち、感謝され、富を得ることができるのです。
その「需要」とは何でしょうか?
一つは、悩みを解決する智慧(マイナスをなくす)
二つは、夢をかなえる智慧(プラスを生み出す)
一言で言えば、「課題解決に貢献する」智慧であれば、需要を満たして富を得ることができる、と考えてよいと思います。
◆Why?
なぜ「課題解決に貢献する智慧」が大事なのでしょう?
それは、悩みの時間を短縮し、被害を抑え、成果を拡大することができるからです。
「誰かにとっての十年は、誰かにとっての一瞬」ということがありえると私は考えています。
つまり、誰かにいまのっぴきならない問題が持ち上がっているとしましょう。
どうしていいかわからない。
でもこのまま放っておくともっとひどいことになる。
しかしどこから手をつけてもさらに炎上しそうに思える。
こんな火の粉がいま自分に降りかかっている状況を仮定してください。
このとき適切な智慧があれば、どんなにありがたいことでしょう。
たとえば2016年の初めに大問題になったベッキーの事例を考えてみます。
私はタレントとしてのベッキーに好感を持っていましたから、今回の休業は残念です。(2016年2月7日現在)
彼女が今回の不倫騒動で、問題発生後1カ月間に受けたダメージははかりしれないものでした。
十数社あったCМはすべて解約され違約金5億円以上、十数本あったテレビのレギュラーもすべてなくなりました。
おそらく損害額は今後数十億円レベルになるでしょう。
しかも、このダメージはかなり長く尾を引くことが予想されます。
これを私は「問題解決の智慧が欠如していた案件」と見ております。
適切な智慧があればすぐ終わる問題だったのに、それがなかったため問題をこじらせ損害を拡大・長期化させてしまったと見ているのです。
すべては勝負どころで判断を間違えたところに帰します。
◆問題の核心
ここでは不倫の倫理的問題には立ち入らず、問題が起きたあとの対処にポイントを絞ります。
では、何がまずかったのか?
すべての元凶は、2016年1月6日の謝罪会見にあったと見ています。
問題点は3つです。
1、不倫相手の奥さんに謝罪しなかったこと。
2、嘘をついてしまったこと。
3、記者からの質問を受け付けなかったこと。
ここで判断を間違えたために、問題が一気に深刻化しました。
こんなはずではなかったのでしょう。
・スポンサーとマスコミに騒動を起こしたことを迅速に詫びれば、なんとか許してもらえる。
・友達で押し通せば、逃げきれると思った。
・質問をシャットアウトすれば、ボロを出さずに済む。
ところが、世間の反応はまったく違いました。
・「奥さんに謝罪しない」→略奪婚を強行するつもりだととられた。
・「嘘をついた」→人として許せない。
・「質問シャットアウト」→呼びつけておいて失礼極まる。逆襲開始。
このように判断がことごとく裏目に出て、ネットからもマスコミからも激しい火の手が上がりました。
その結果、守れるはずのものまでことごとく焼失させてしまったのです。
◆どうするべきだったか
あそこで必要な智慧とは何だったのでしょうか。
「騒動後の第一声は正直に、行き届いた配慮で行うべき」ということです。
質問を受け付けず、嘘を押し通そうとしたのはいかにもまずかった。
正しい判断をしておれば、一時的に叩かれても、すべてのキャリアを失う事にはならなかったでしょう。
ネットの時代には業界内対策だけではリスクを防ぎ切れないのです。
内輪で上手に根回しさえしておれば、穏便に過ぎ越せる時代ではなくなっています。
日本国中のあらゆる目が見て、膨大な人が意見を発信する時代に、内部の談合は通用しなくなっています。
だからあの場に必要だったのは「リスク対応の専門的智慧」でした。
政治家や企業は対応一つ間違えると致命的な損害を出すので、そんな「リスク対応専門家」のコンサルを受けていますが、芸能事務所というのはかなり古い昭和な体質のようです。
だから、昔ながらの談合対応でしのぎ切れると思ったのでしょう。
その過ちに支払わされた代償は大きすぎました。
◆うまく行ったケース
しかし、同じ不倫騒動でも何年か前のダウンタウンの浜田雅功の場合は、たいした炎上もせず、すぐ鎮静化できました。
すぐ正直に謝ったことが一つ。
もう一つは彼の奥さんである小川菜摘の「夫はいま意気消沈ゴリラになって反省してます」という見事なメッセージ発信が即時にあったこと。
この二つによって、騒動はアッという間に沈静化してしまいました。
そのお陰で夫はその後もなんら謹慎することなく、現在もTV各局でレギュラーを多数持って活躍し続けています。
たいへん賢明なリスク対応でした。
◆市井(しせい)の問題に引き戻す
これはひとり芸能人だけの問題ではありません。
一般人に於いても、リスク対応の智慧によって結果は天と地ほどに違ってきます。
賢く対処すれば最小限の損害で、短期に処置できるのに、愚かに対処すると甚大な損害が長期化します。
「人生は一冊の問題集」ですから、各人に三つ問題があれば、三億個のリスクがいまこの瞬間にも発生しています。
それらすべてが適切な智慧を求めているとしたらどうでしょう。
あなたが五十個や百個受け持つことは普通にありえるでしょう。
ましてや悩み解決だけでなく、夢の実現の方までカバーすれば単純に倍の需要があるはずです。
そういうところに貢献するのが「富を得ることのできる智慧」なんですね。
智慧があれば十年かかる課題を一瞬で解決することもできるのです。
このギャップを埋めてあげられる智慧を発信すれば、それは富に変わるでしょう。
そして、それはあなたにも発信することができるものなのです。
きょう講義した部分は、もっとエッセンスにした言葉で『富伝道のススメ』に書いてありますので、復習のために読んでおくことがお薦めです。
次回は、「ではどうすれば富を得る智慧を自分も発信できるようになるのか」というあたりを掘り下げてみましょう。