健全な危機意識
遠江です。
昨日、生涯現役・電話相談を受けた方の中に、自分は64歳でパートをしているが、向こう十年やっていくだけの蓄えはない、というケースがありました。
このままではいけないとは思いつつも、自分で稼ぐためには具体的には何もされていない状況でした。
仮にAさんとしておきましょう。
Aさんは善人で天国的な方でしたけれども、私から見たら、どこか太平の眠りの中にいらっしゃるように見えたものです。
お話していると、こちらまで眠りに引き込まれそうな感じが少ししましたが(笑)、もちろんそんな方の目を覚ましてさしあげるのが私の仕事なので、
ゆっくりといろいろな角度から具体的なお話をし、
薄紙を剥ぐようにして、眠っている魂を揺り動かしたのです。
足りなかったのは健全な危機意識に間違いありません。
◆数字的把握の大切さ
あなたも今、自分がいくらお金を持っているか棚卸しして、
もし明日から収入がなくなったら、蓄えで何年生きられるかを計算してみましょう。
どんなに切り詰めても、一人年間三百万円はかかるでしょうから、今の貯金を三百万円で割れば、生存可能な年数がすぐに割り出せるはずです。
そんな話をしていると、Aさんも少し目覚めてきたので、
「では、いくらぐらいの収入があったら嬉しいですか?」とお訊きしたら、
「月収五十万円」という答えが返ってきました。
で、とにかく何かしなければ干上がってしまうという想定の元なら、何をしますか?といろいろな角度から訊き出してみて、
「手もみ」を以前少しだけかじったことがあるので、それでやりたいというところまで来たのです。
で、いくらで手もみをしますか?とお訊きしたら、「2,000円」とおっしゃるので、
「では、2,000円で五十万円稼ぐには、何人のお客を取らなければなりませんか?」と訊いたら、
そこで絶句されたのです。
答えは「ひと月250人」です。
月に25日間働き詰めで、コンスタントに一日10人、1時間はかかる手もみをしなければならないことに気づいて、
「これは無理だ」と初めて気付かれました。
算数的思考をすれば、いま自分がどんな立場にいるのかわかります。
◆早期スタートの有利性
では、月収50万円は夢のまた夢なのか?
いいえ、そんなことはありません。
可能だから私はこのような活動をしております。
しかし、そこに行くにはまず「ポジショニング」を決めるとことが必要ということですね。
その上で、いろいろなことに取り組む必要はあります。
でも、私の言っていることは、そんな難しいことではありません。
自分のやるべきことを判断して、一歩一歩実践していったら、いま現在、専門技術や学がなくても、到達可能です。
ただ、健全な危機意識が眠ったままだと、ぼんやりしながら日常に埋没しているうちに、五年や六年はすぐに経って、その頃Aさんは70歳です。
そこからスタートするのが不可能とは言いませんが、今からやるよりは難しくなっているでしょう。
だから申し上げるのです。
早く準備を始めた人ほど有利なのが富伝道の道だと。
目を覚まして、何とかがんばって、三年後には月収五十万円が見えてくるように動く必要があるのだと、わかります。
何がAさんをそう変えたのか?
健全な危機意識です。
◆危機意識と幸福繁栄は両立する
私は「危機意識」だからといって、焦りの中で心を波立たせて、髪の毛を振り乱してやれとは言っていません。
健全な危機意識は、「やりがい」という言葉で橋渡しすれば、幸福繁栄と矛盾しないものです。
一介の主婦から一念発起して、月収五十万円を達成し、余裕のある生活を送っている人も、水面下では健全な危機意識で水かきしているのです。
いえ、張りのある幸福繁栄の生活とは、健全な危機意識の上にしか成り立たないものではないでしょうか。
私は少なくともそう思って生きています。
「何も動いてはいないけれど、何とか成るんじゃないか」という考え方こそ、不健全な太平意識に他なりません。
それは、お上がなんとかしてくれるんじゃないか、とおんぶにだっこする考え方であり、
実際は福祉に頼って、若者たちに重い税負担をさせることになり、結果的には奪う愛になってしまいます。
奪う愛をやっていて、幸福繁栄が実現するとは思わないでしょう。
年配者が若者に頼り切る社会は、必ず停滞して淀んでくるに違いありません。
そんな未来を見たくないと強く思います。
◆「できない」という錯覚
だからすべての特効薬は「生涯現役」という言葉の中にあるのです。
生涯現役を実現するには、太平の眠りから覚めて、健全な危機意識のもとに行動を開始することです。
あなたがもし、まだ自分のテーマが決まっておらず、ポジショニングもあいまいなら、
この6月を新しい旅立ちの月にするべきだとお薦めします。
一つ上の次元から見れば、「できない」と思い込んでいたことも、「できる」に変わることを知ってください。
いくつになっても青春の心でチャレンジする。
これこそが、幸福繁栄に生涯現役を送るための根本マインドです。