「守・破・離」の「守」
遠江(とおのえ)です。
「学びを早くマスターして結果を出したい」というのは、新しいことに取組むとき誰もが共通の願いだと思います。
「富伝道」ということでいえば、「早くブログで智慧をアウトプットして、富を得たい」ということになるでしょう。
そのためにどうしたらいいのか?
どうすれば学びを早くマスターして結果を出せるのか?
その答えが今日のテーマでもある「守・破・離」の「守」なのです。
◆「守・破・離」とは何か
「守・破・離」というのは、「ものごとを上達させる順序の智慧」です。
茶道、武道など「道(みち)」における修行方法として古(いにしえ)より言い伝えられ、いまだに有効な叡智です。
一つずつ定義してみましょう。
「守」とは、サポートのもとにそれができるようになった状態です。
「破」とは、自分でやり方を改善したい状態です。
「離」とは、自分なりのスタイルを確立した状態です。
たとえばラーメンづくりならどうなるでしょうか。
「守」で、レシピ通りにラーメンをつくれるようになります。
「破」で、具材を変えたりスープに変化をつけるなど、いろいろ試したくなります。
「離」で、自分だけのオリジナルラーメンをつくり、店を開きます。
これが「主・破・離」による発展段階です。
そうすると、新しいことを始める場合、あなたがまず取り組むべきは「守・破・離」の「守」になるのです。
サポートのもとにそれができる状態、つまり、レシピ通りにラーメンがつくれる状態を目指してください。
ここでいきなり「破」に飛ぼうとすると、迷い道に入るおそれがあります。
「ああ、だいたいわかった。じゃ自分なりにやってみるから」という考え方のことですね。
その結果、変な癖がついてけっきょく遅れてしまうことが多いのです。
ただ、逆説めきますが、これで成功する人も稀にいます。個性と才能の飛び抜けた方です。
そういう天才が稀にいることを否定しませんし、私はそういう型破りを比較的認める方です。
でもそういう方はたいてい茨の道を歩まれることになります。それは知っておいてください。
だから、いちばんスムーズに遠くまで行く道は、「守・破・離」の「守」から始める道なのです。
まずはこの道をお伝えしておきたいのです。
◆糸川英夫の「守」
「守」というのは、お手本のサポートを受けながら、とにかく見よう見まねでやってみる段階です。
この時期は、お手本に似てくるのが当たり前ですから、そこで「ああ、自分には個性がない」などと悩む必要はまったくありません。
一時期没個性に見えていても、やがて竹の子がすくすく伸びるように、あなた独自の煌めきが出てきます。
だから、とにかくお手本が言うことに忠実にやるのが上達の早道です。
達人の人ほど、歳をとってから新しいことを習うときには子供のように素直です。
ロケット博士の糸川英夫が、60歳を超えてからバレエを習い始めましたが、とっても殊勝に学んでいて好感が持てました。
本業ではとっくに「離」の境地に達しているのに、バレエでは「守」から始めているのです。
これは、最初の「型」のところで正しい基礎をつくっておかないと、あとから修正は効きにくい、という智慧が働いているからです。
どんなゴシック建築でも土台は普通のビルとそう変わらないのです。
土台づくりの単調さに耐えた人のみが、壮麗な建物を築くことができるのです。
だから、まずお手本のサポートを受けながら、とにかく「守」の姿勢でやってみることをお薦めします。