人を動かすコピーライティング

遠江です。

以前「人に読ませるコピーライティング」「人に信じてもらえるコピーライティング」について書いたので、今回は最後の「人を動かすコピーライティング」について書きます。

どうすれば人に動いてもらえるのか?ということにまつわる文章術です。


◆オファーする

まず、人に動いてもらうために絶対必要なことは、文章のなかでオファーすることです。

「この商材を買ってください」、「このセミナーを受けてください」という明確な提案が要ります。

プロポーズしなければ決して結婚してもらえないのと同じですね。

その言い方にはいろいろあっていいですが、オファー(提案)のないコピーライティングで人を動かすことはできません。

ですからこれは単なる文章術の問題ではなくて、それ以前の企画の問題になります。

そもそも魅力的な強いオファーを用意できているかどうかが大事なのです。

できるだけ魅力的で、できるだけ強くて、相手が受けざるをえないようなオファーを用意すべきです。

「これだけのことを提案して、受けないのであれば、ちょっとおかしいのではないか」と思えるぐらいの企画を先につくっておいてください。

文章で人を動かすためには、魅力的で強いオファーを書くことです。

「何」をやってほしいのかを明確にすることを忘れないでください。


◆「なぜ」に答える

明確なオファーをしたら、次に、「なぜこれがあなたにとって必要なのか」を説得しなければなりません。

自分に関係ないと思えば、人は動かないからです。

ですからここで必要なのは、あなたのオファーと相手とを結びつけることです。

何本ものロープで結びつければつけるほど、両者の関係性が強くなって、相手は「自分に関係があるんだ」と思ってくれます。

なので、結びつける段階で、「いくつ可能性を思いつけるか」がまず大事になります。

「なるほど」と思える関係性をなるべく複数思いついて、納得の行く説明を加えてください。

たとえば、小型犬を飼うことを、まったくそんなものに興味のない熟年男性に薦めようとした場合、

何もしなければこの両者は平行線のままです。

だから、

1、「ペットを可愛がることで、動きづらくなった感情が蘇ります。愛情生活は幸福な晩年に必須のものなのです」とか、

2、「愛犬を散歩に連れて行くのが、熟年にとって最高の運動だと知っていましたか?晩年の健康は宝なのです」とか、

3、「愛犬家同士は友達になりやすいのです。公園にたくさん友達のいる生活は張りが出ますよ〜」

などと、「小型犬」と「熟年男性」を幾重にも結びつけるわけです。

「愛」とは結びつける力です。

なので、愛情を込めて両者を眺めれば、いろんな観点が見えてくるものです。

そのようにして「なぜこれがあなたにとって必要なのか」を説得することで、人を動かす文章が書けるでしょう。


◆感動させる

いま言ったのが「理詰め」の論点とすれば、次は「感情」の論点です。

相手を「感動」させて動かしてください。

あなたの心が大きく動いた瞬間を、うまく描写することによって、同じ感情を相手に味わってもらうのです。

過去、「感動したこと」「嬉しかったこと」「驚いたこと」など、ポジティブな感情の動き方をしたときのことを思い出して、「なぜそう動いたのか」が伝わるように書くのです。

人は心が動くと行動します。

自分が動いたことを梃子にして、相手を動かそうとする試みです。

矛盾したことを言いますが、できるだけ正直に、できるだけおもしろく脚色して書くべきだと思います。

「正直に」とは、嘘を書いたら伝わらないということです。

「脚色して」とは、メリハリを付けなければ読んでいておもしろくないということです。

ですから「正直に」「脚色する」には、不要な部分はカットして、真実の部分を使い、メリハリが付くように編集することが必要になります。

まぁ上手い映画を創る監督にでもなった気持ちで、自分の物語を作品にしてください。

慣れてくれば、「悲しかったこと」「悔しかったこと」「つまらなかったこと」など、ネガティブな感情を使ってでも、感動させることができるようになるでしょう。

上がり下がりの「ギャップ」は、感情を動かすときに有効に使える題材になります。


◆希少性、限定性

「希少性」を挙げたのは、「少ないもの」はみんなほしくなって動くからです。

「限定的」は、「限られたもの」を手に入れるには早く動かないといけないと思わせるからです。

だからこの二つも単なる文章術の問題というよりは、それ以前の「企画」の問題にはなります。

「あといくつしか頒布しない」とか、「いつまでにしか受け付けない」ということをリスクを取って決めなければなりません。

大手企業が普及品を販売するのと違い、個人が高額なものを売るときには、「希少性」「限定性」をつけたほうがいい、というのが私の基本的な考えです。

つまり「行動を促す」ということですね。

なぜ行動を促す必要があるのかというと、多くの人は逡巡して無駄な時間を費やしがちだからです。

こちらが出したセールスレターを30回以上読みに来て、まだ迷っている方がけっこういらっしゃいます。

「30回」とはお気に入りの名作でもそんなに読まないですよね。

おそらく費やした時間も膨大なものになっているはずです。

そしていつまでも思い悩みながら、時間ばかりがどんどん過ぎていくのです。

そうであれば「時間短縮」してあげることは「愛」になるでしょう。

「行動を促す」ことによって時間短縮してあげる愛が、「希少性・限定性」の提示だといえます。


◆結論

以上、「オファーする」「なぜに答える」「感動させる」「希少性・限定性」の四つが、私の考える人を動かすコピーライティングです。

この四つを心がけて文章を書けば、必ず人を動かして富を得ることができるようになるでしょう。

あとは場数を踏んで経験を積み重ねることが大事です。

それではまた。

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