書き下ろし「シナジー効果の威力」

遠江(とおのえ)です。

これは「プロアイテム・シリーズ」(略称:Pro)として、学びを「実践」して「結果」を出すための智慧になります。

今回取り上げる「シナジー効果」とは、相乗作用のことであり、二つ以上のものが作用し合って効果を高めることです。

その「シナジー効果」を智慧アウトプットで富を得るときにどう働かせるのか、というのがきょうのポイントです。

◆布石を打って柱を立てる

結論を先に言ってしまえば、先に発信した智慧を足場にしながら、後から出した智慧で柱を立てて、徐々に建造物にしていくということです。

たとえば、私は「伝道の智慧」として、三つの壁を越えることが大事だ、ということをメルマガ十回も使って述べました。(Not Read、Not Believe、Not Actの壁を越える)

そのあと話は、「ブログで智慧のアウトプットをして富を得よう」というテーマに移ってきています。

そしていま、「どうやって記事を書いたらいいか」という具体論に入ってきた段階で、もう一回「記事を書くときも三つの壁を越えるように書くべきだ」と以前の智慧を出してくるのです。

これが智慧と智慧のシナジー効果で、以前述べた伝道の智慧を使いながら、ブログ記事を書くときの具体的智慧にアレンジしていってるのです。

前に言ったことを無駄にせずに、後で言うことの布石に使っていく。

こうすると、読者に対する説得力が増し、それこそ三つの壁を越して人を動かすことができるというのが「シナジー効果の威力」なのです。

◆柱を立てるときに足場を探す

この布石を打って柱を立てていくという考え方ですが、必ずしも「すべてを計算づくでやりましょう」という意味ではありません。

その都度その都度、読者にとって最もよかれと思って、智慧を出すべきなのです。

しかし、たくさんの智慧を積み重ねていると、どこかで何かの柱を立てようと思うとき、以前出した智慧のどれかが足場に使えることが多いのです。

ところが、そういう発想を持たずに、また何もないところから一から柱を立てようとするのは愚かなことだと申し上げたいのです。

せっかく苦労して出した智慧を、再利用して使うこともせず、埋もれさせていくのはたいへんもったいないことです。

しかも、単にもったいないというだけでなく、以前言ったことをまったく別の場面で再登場させることで、主張に一貫性が出て信用が高まる効果が大きいのです。

「ああ、あの人の言ってたことは首尾一貫しているな」と思ってもらうことで、信頼感が出て次に行動してもらえるわけですね。

だから、なにか新しいことを始めようとするとき、以前自分が発信したコンテンツが使えないか見渡してみることは、シナジー効果の威力を発揮させるうえでとても大事です

◆コピペはやめてアレンジする

ただし、昔の智慧を再利用するときに注意点があります。

それは、単なる「コピーアンドペースト」(通称「コピペ」)するだけでは芸がないということです。

なぜかというと、人は見慣れたものを何回も出されると「飽きてきて離れたくなる」からです。

だからお薦めは、以前の智慧を、今の課題にアレンジして、新し味を演出することです。

たとえばベテランアーティストが自分の昔のヒット曲をリバイバルさせたいとき、単にベスト盤を編集するだけでなく、セルフカバーとして新たに吹き込み直すという企画が増えていますよね。

これは、何十年前の録音を「コピペ」するより、「吹き込み直し」するほうがよほど付加価値が高いからです。

昔の智慧をいま再現するにあたって、以前より年輪を増し、深みを増した歌唱を聴かせるから、新たなファンまで付くのです。

だから「昔の名前で出ています」という場末のバー風にうらぶれないためにも、新しいテーマに合わせて「アレンジ」することがお薦めなのです。

この「一手間かける」ということがまた「シナジー効果の威力」を発揮させるときに大事な智慧となります。

◆異質結合のシナジー効果

また、意外なものが結びついて思わぬ効果を発揮することもあります。

この異質結合のシナジー効果には、高い創造性があって、差別化するときに大きな武器となることが多いのです。

たとえば、昔バンドで音楽をやっていた人が、宗教家になってお坊さんとして衆生教化するときに、説法の智慧と音楽の智慧をシナジーさせて、「歌う伝道師」として大人気を博するようなことです。

実はこういう例はすでにたくさんあって、ニューヨークのハーレムの教会牧師は、ゴスペルのミリオンセラーを出す人が何人かいますし、ブラジルのプロテスタント牧師も、歌いながら説法してTVで全国的な人気を博している人がいます。

こういうのを見ていると、「強み」というのは結びつかないものなどない、とつくづく思います。

つまり、自分にとって武器になるものは、結びつけ方にアイデアを出し続けて、必ずシナジー効果にしてしまわないともったいないということです。

私も十代で作詞・作曲していた曲を、五十代の年輪で弾き語ってみて、「歌う富伝道師」としてUSPを創れるなと密かに練習しているところです。

「USP」とは差別化ポイントのことであり、競合のなかに埋もれないために必須の智慧です。

このように、「シナジー効果」について、「布石を打って柱を立てる」「柱を立てるときに足場に使えるものを探す」「コピペはやめて新アレンジをする」「意外な強みを異質結合させる」という四つほどの使い方の智慧をお話しました。

このシナジー効果の威力はかなり強いですので、ぜひこの学びを実践して結果をお出しください。

サブコンテンツ

このページの先頭へ