江遠のセールス論
江遠だ。
収入を得るためには売らなければならない。
では売るためにはどうするか。
これがきょうの主題だ。
売ることに自信がない者はよく聴いておくように。
◆言いそびれるな
売れる瞬間というものを知っているだろうか。
それは相手が同意して支払う瞬間に他ならない。
何かこちらが薦めて、「はい」と言わせる瞬間をつくるということだよ。
これに成功した者は稼ぐことができるし、
ここを言いそびれたり失敗した者は、稼げないまま終わることになる。
まず言っておくが、売れない者は言いそびれることが非常に多いということだ。
そこで「いかがですか?」とか「だから買っておきましょう」と言えば買うかもしれないのに、
最後の飛び越しを恐れてジャンプできない者がたくさんいる。
もちろんそこへ行くまでに相手が納得していない場合は論外だよ。
それはそこまでの説得が稚拙だったからなので、振り出しに戻って一からやり直しだ。
しかし、売る瞬間は飛ばなければならないことを知らなければ、
いつまでも牛のションベンみたいにタ~たらタ~たら話を続けることになる。
シュートを打てないままボールを回しているだけの臆病者というか、
プロポーズできないまま婚期を逃す行かず後家というか。
どんなにうまく進んだ話でも、最後の決め所で飛べなければ、崖のこちら側で右往左往するだけとなり、
時間が経てば経つほどチャンスは遠のいていく。
だから言いそびれる者になっては決していけない。
◆迷うな
次に最後のジャンプに失敗する者の話だが、
踏切りに迷いがあると飛べるものも飛び越せなくなるな。
そういう者はえてして助走の段階から迷っていることが多い。
迷っている者は、相手の迷いを引き出す。
波長同通ということだよ。
どこかに引け目があると、いくら言葉を飾っても、相手は君の引け目を直感で感じ取るだろう。
人間はある意味みんな霊能力者だからな。
眼に見えないものを第六感で感じ取る能力が、多かれ少なかれあるものだ。
だから迷いながらやったセールスはきっと失敗する。
それは相手が買わなかったというより、君が売れなかっただけにすぎない。
迷う者になってはいけないということだよ。
◆準備不足でセールスに立つな
ではなぜクロージングで迷いが生じるのか。
それは売れるようにするための準備不足がほとんどの原因だ。
オレだって準備不足で確信が持てないものは売れない。
売りものをつくるときは、「これを買わなかったらぜったい損だな」というものをつくるべきなのだ。
「オレだったらこれ買わない手はないな」というものをつくっておくということだよ。
自分の商品に自信を持てないものは売るな。
自身が持てないのは練り込み不足が原因だから、
もっと事前によく練りこんでおけということだな。
◆潮時を知れ
ただし、「まだ完全じゃないから」と言って、いつまでも準備している者は愚かだということも言っておく。
いつまで商品がないなどと言ってれば気が済むんだ。
納豆だってかき回し過ぎたらだんだん不味くなるじゃないか。
「臆病者!」と言われたくはないだろう。
何ごとにも潮時というものはあるのだから、ある程度「潮が満ちたな」と感じたら、
ちゃんと商品をつくって、セールスをかけ始めるべきなのだ。
潮時を逃す者になるなということだよ。
◆セールスの基本
かくして練り込みの潮時を知り、
自信のある商品を準備し、
迷いなく助走・踏切をして、
しっかりオファーして買ってもらうというのが、
セールスの基本になる。
◆迷い解決業
最後に言っておくと、
「これは買わなければ損でしょう」というものを用意したとしても、
客というのはお金を出す決断をするときに迷うものだ。
迷っている相手の迷いを断ち切ってあげることが、
セールスの最後のポイントに必ずなる。
この迷いの蔦(つた)を切れるかどうか。
その瞬間のことをよくイメージしておくといい。
思いは必ず実現する。
迷い解決業がセールスの極意ということだ。
いろんな人間が、いろんなタイプの迷いを出す。
そのバリエーションを一つずつ知って、それを解決する腕を磨いてゆけ。
それがセールスが幸福繁栄とつながる瞬間だ。