筋のいい発想とは何か

遠江(とおのえ)です。

前回私は、異質結合というのは儲かるビジネスのネタになるが、当たるかどうかはやってみないとわからない、しかし「筋のいい発想」というのはある、というところまで述べました。

そこで、今回はその続きをお話してみたいと思います。

「筋のいい発想」とは、「理論に基づいた発想」のことです。

ただやみくもにあれこれ思いついて、片っ端から実験してみるというやり方では試行錯誤が多すぎて、時間もお金も浪費してしまいがちになるので、「理論という考え方の筋」に基づいて異質結合なら異質結合の発想をしてみるということです。

つまりリーズナブルな智慧に基づいて発想することで、もう少し打率を高めることができるわけです。

このあたりで素人とプロの違いというのは出ます。

で、その上で実験を繰り返すと、ヒットを打つまでの時間短縮が可能になることになります。

では、儲かるビジネスを異質結合でつくるための「発想の筋」とは、どんなものがあるのでしょうか。

ここからは少し具体的に事例を挙げながら説明していきましょう。

◆人材派遣業における異質結合

たとえば「人材派遣」というビジネスがあります。

いま(2015年11月現在)は、低成長時代ではありますが、一方で人材難でもあって、たとえば牛丼の「すき家」などでも店員の人材難で深夜営業ができなくなり、収益減に苦しんでいるというような事例が、あちこちで見受けられます。

だから労働力を安価に供給するビジネスはけっこう好調ですし、まだまだこれから伸びる可能性があると私は見ています。

そして、「安価な労働力の供給」というニーズに応えるため、外国人労働者の人材派遣業というジャンルが勃興してきているのです。

そこでブラジルとかフィリピンとかベトナムとか、日本人より安い給料で働いてくれる外国人労働者の派遣がマーケットを広げつつあるわけです。

ただ、雇い入れる方の企業側は「外国人は信頼できるのか」という不安を持っていますので、ここをどう解消するかが一つのポイントになっています。

そこで、「適切な教育をすることによって信頼性を高める」という考え方の筋が出てきます。

さらに、「適切な教育とは何か」という教育内容についての吟味も必要になってくるわけです。

私の友人は三重県でこの外国人労働者の人材派遣業をやっているので、私は以上のような筋から「ある種の教育を施すと、同業者と差別化してさらに儲けることができる」とアドバイスをしたことがあるのです。

外国人の派遣をやっているところはたくさんあっても、彼らの信頼度を上げる適切な教育を施すところまでやっている業者はほとんどいなかったので、ここが差別化のポイントになるわけです。

◆すでに起こった成功

そうしていたら、徳島県にいる別の友人がすでにそれをやっていたことがわかりました。

やりますね。(笑)

こういう行動力のあるところが、これからの熾烈な競争に勝ち抜いていくところだと思います。

こちらの友人は、ある2つのポイントに絞って外国人を教育して、彼らの労働者としての信頼度を高め、それを売り込み先の社長にアピールすると、いきなり反応が変わって契約をたくさん取れているそうです。

まぁ「どのような教育を施すか」については私なりに少し違う考えは持っていますが、「経営者にアピールするたった2つの教育内容」を見つけ、実際に成果を出している起業力には拍手を贈りました。

訊いてみたら、たしかに書いてのニーズから掘り起こした考え方の筋に従って2ポイントを決めていましたので、これは「筋のいい発想」の部類に入ります。

これ以上書くと、友人の競争優位性を低めてしまいますので言いませんが、たとえばこのようにして「人材派遣」と「教育」の異質結合がありえるわけです。

この成功に関しては、実際に売り込み先の社長さんと直談判しながら、相手のニーズをリサーチしたことが智慧の源泉になっています。

やはり「何が当たるかはやってみないとわからない」という部分はあるということですね。

◆人材派遣業と教育の異質結合

私は、この組み合わせは今後大きく発展するという読みを持っています。

たとえば、東京ではこれから2020年の東京オリンピックに向けて建設ラッシュが続きますので、建設業への外国人労働者の派遣業には大金が流れるでしょう。

そのとき日本と外国の文化のギャップによって、数多くのトラブルも予想されます。

外国人の自己主張文化と、日本人の奥ゆかしさ文化のギャップによって、意思疎通がうまくいかないことも起きるでしょう。

外国人のアバウトな感覚と、日本人の緻密な感覚のギャップでも、言った指示がうまく通らない問題も起こるはずです。

一方、きちんと教育すれば、外国人たちの優秀性が発揮されて、安価で質のいい労働力が生まれてくると考えています。

だから、「何をどう教育するかというソフト」がこれから大きな脚光を浴びてくることになるのです。

あるいは「どの筋から人材を引っ張ってくると優秀な人材を集めやすいか」という点でも大きな差が出ることでしょう。

このあたりに異質結合によるさまざまな金の成る木が育つと私は考えています。

そして、このような「筋のいい発想から異質結合する」ことによって、さまざまな業界で儲かるビジネスがたくさん生まれてくることを確信しているのです。

これは一人ビジネスのような手軽な領域でも、数人のチームを組んだプチビジネスでも、たくさんチャンスをつくることが可能です。

私もそのような「筋のいい智慧」を数多くお与えして、未来の発展に貢献したいと考えています。

それではまた。

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