上手な質問の仕方

遠江(とおのえ)です。

「智慧をアウトプットして富を得る」ときに、「上手な質問の仕方」ができることはひじょうに大きな武器になります。

なぜなら、いい智慧にはいいリサーチが必要であり、いいリサーチをするためにはいい質問が欠かせないからです。

富を得るためのリサーチには、見込み客やクライアントの「困った」を訊き出すこともあれば、格上の人から「智慧」を訊き出すというものもあります。

シャーロック・ホームズの人気シリーズが、実は相棒ワトソンの絶妙な質問によって成り立っているように、いいツッコミをしなければ、いいボケはかませないのです。

いや、ボケじゃないボケじゃない。(笑)

でもこれはほんとうで、ワトソンがいい質問をするから、ホームズがいい答えを出せるのです。

では以下、「上手な質問の仕方」について考えるところを述べさせていただきます。


◆質問のマインドセット

「質問」とは、相手から答えを引き出す能動的な行為です。

自分がわからないところや、もっと情報を得たいことについて、こちらから相手に投げかけてできるかぎり有用なものを引き出そうとするのが「質問」の本質です。

ですから、質問には智慧を尽くすべきです。

アバウトに訊けば、アバウトにしか答えは返ってきません。

平凡に訊けば、平凡な答えが返ってくるでしょう。

いやな質問をすれば、当然いやな答えが返ってくることもあります。

つまり、打てば響く鐘に対して撞木(しゅもく)を握っているのは訊き手の方なのです。

ですから、いい鐘の音を鳴らそうと思うなら、しっかり撞木で突かねばなりません。

智慧をこらして訊くから、智慧に満ちた答えが返ってくることを忘れてはならないのです。

いい智慧のアウトプットには、いいリサーチが必要です。

いい情報を得ておかなければ、富を得ることができるような智慧の発信は決してできません。

その「リサーチ」においては、すべてこちらから質問するという能動的行為から始まるのです。


◆前段階としての自問自答

では、いい質問をするためには何が必要なのでしょう。

質問をする前段階として、まず自分についてリサーチしておくことが要るのです。

「自分についてのリサーチ」とは、この場合、「自分は何がわかっていないのだろうか」「いまの自分が得ておいてひじょうに有意義な情報とは何なのか」ということを先に自問自答して答えを得ておかなければならないのです。

この「自問自答」は物事を深く考えるときに不可欠の方法ですので、必ず練習して習熟しておく必要があります。

コナン・ドイルも『シャーロック・ホームズ』において実際やっていたのは自問自答です。

彼はワトソン役もホームズ役も、実際は独りでやっていたのです。

だからひらめきのことを「独創」ともいうのです。

話が横道に逸れましたが、つまり質問の前に「自分は何が訊きたいのだろうか」という自問自答をよくやっておいてください。

ここでいい考えを思いついておかなければ、けっしていい質問はできないことを知っていただきたいと思います。


◆どこに玉を投げるか

いい質問のアイデアを持っていれば、あとは「訊き方」の問題となります。

質問においていい訊き方とは、相手の得意そうなところへ玉を投げることだと私は考えています。

なぜならいい玉を投げてヒットやホームランを打ってもらうことが、いい試合になる条件だからです。

逆を言えば、相手の苦手そうなところへ玉を投げるのは下手くそなインタビュアーになります。

塩対応で有名なAKB48の島崎遥香に対して、徳光和夫が「俺の質問は無視するくせに、田村淳の質問には喜んで答えやがって」と怒っていましたが、見ていて淳のほうが数段質問が上手でした。

徳光さんは自分が嫌われているから無視されたと思い込んでいましたが、本人と対話して別に嫌われているわけではなかったことを知りました。

ロンブの淳と自分の違いは、島崎遥香のことをよく研究し、彼女の得意そうなところへ質問の玉を投げているか否かだったということに気づいたのです。

ただ、この質問の仕方ができるためには、こちらの見識が高まって相手が「見えている」必要があります。

相手の見識のほうが遥かに高い場合は、よく見えませんので、そのときは胸を借りるつもりで素直に自分の疑問を訊くのがいいでしょう。

いつの時代も「素直さ」とは成功をつかむために重要な徳目になると思いますので。


◆先に自分のことを言う

もう一つの方法は、自分のことを上手に披露して、相手に答えるとっかかりを与えるというやり方もあります。

これは相手が抽象的に訊かれてもどう答えていいかわからないときに、具体的な情報を先に与えておいて、答えやすくするための与える愛になりえます。

また、自分をまな板の上にさらして、とにかく何とか料理してみてください、という材料の提供になるのです。

智慧を使いすぎて抽象的な哲学問答になってしまい、結局、自分の訊きたいことを引き出せなくなるのを防ぐ方法にもなるのです。

あるいは、先に自分の考えを述べておいて、それに対する相手の見解を訊くときにもこれは有効です。

つまり、「私はこの件に関してこのようなアイデアを持っているのですが、それについてどう思いますか」というような訊き方のことです。

そうすれば、自分の具体的な発想に対して、相手から具体的な答えをもらえますので、結局、大きな得をすることになるのです。

これは軍事的には「威力偵察」と呼ばれ、沈黙している敵に対しては、こちらから弾を撃ってみて、先方の出方を探るという高度なリサーチ法ともなります。

もちろん質疑応答のときは敵ではありませんので(笑)、和やかな雰囲気のもとで行う必要がありますが。

結局、相手から最大のものを引き出すのが質問の目的ですから、ケースバイケースでいろんなやり方があるということです。


◆いい智慧を引き出す誘い水

つまり、「いい質疑応答」には、訊き手と話し手のあいだに智慧の交流が必要です。

その智慧の交流も、背伸びして突っ張るとストレスの多いものになります。

ですから、自然体で相手との距離をはかりながら「知的トークを楽しむ」といった心がけがいちばんいいと思います。

相手とバトルするのではなく、ランデブーする感じで、適度な緊張感はあっても大筋たのしい会話を心がけることが「いいリサーチ」になるコツではないかと思います。

結局、上手な質問とはいいリサーチをするための最大の武器になるということです。

そして、繰り返しますが、いいリサーチをしておくことが、いい智慧をアウトプットして富を得るための王道なのです。

いい質問とは、いい智慧を引き出すための誘い水だというのが今回の結論です。

われわれもいいワトソン役ができるよう、がんばってみましょう。

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