「概論」はなぜ必要か

遠江(とおのえ)です。

私は時折「概論」という言葉を使います。

「概論」とは、全体コンセプトを大づかみに把握するためのものです。

なんかちょっと難しそうな感じがして、スルーしたくなる残念な人が出るといけませんから、きょうはなぜこれが大事かということをお話しておきます。

たとえばこのサイト内の記事でいえば、「ロックフェラー研究・概論」とか「クレーム・批判・誹謗中傷への対処法・概論」というのがありますでしょう?

なぜそれを入れているのかというと、対象とするテーマが非常に大きいので、まず俯瞰するように大づかみに全体像を述べたいからです。

でないと、いきなり各論から述べると、木を見て森を見ずで、ほんとうの大切さが伝わらないからそうしているのです。

「あ、ロックフェラーって慈善事業した人でしょう」で終わってはもったいなすぎるということです、たとえば。

もっといろんな面がある人なので、まず概論を述べる。

ですが、概論は概しておもしろくありません。駄洒落みたいですが。(笑)

なぜなら話がおもしろくなるのは、たいてい事例とかエピソードが入ってくる各論の段階になるからです。

ところがストーリー仕立てでサービスするには、概論は論点が多すぎてスペースが足らないのです。

で、おもしろくないからと言って概論を飛ばす人が後を絶たない。(笑)

でも、「おもしろいものが好き」というのはアイデアを増強する第一条件である「好奇心旺盛」という点でとても良いのですが、「全体を把握して仕組みを構築する」という能力にはつながらないのです。

だからそういう人は、おもしろ人間なんだけど、貧乏なんです。

ウィットに富んでいてそこそこ人気もあるんだけど、たいしてお金持ちじゃない人っていますよね。ああいうタイプ止まりになります。

そうなりたくないのなら、「概論」を理解する知性を持ってください。

全体を大づかみに把握する力です。

つまりこういうことです。

「一年後には不労所得で生活できるようにするために、いまから戦略的に仕組みをつくり始める」ためには、概論で全体の流れを把握してから、次は各論を一つずつ理解する、という手順が要るのです、絶対に。

目指すべきは、おもしろくてリッチになることですよね。

おもしろリッチになりたければ、「概論」も理解しておく必要があるのです。

◆ちょっと補足を

ただ、これは本論から離れますが、老婆心ながら言いますと、「概論」は学べるが、「各論」の踏み込みが足りないタイプもたいして稼げません。

こちらは学者タイプに多いですが、全体はわかっていても、細部がおもしろくないので、人気が出ないです。

理性だけ強くて、感性に乏しいと、話の肉付けが足りないので、骨ばった人のようになるのです。

セクシーさがないので、つきあっても楽しくないんですな。

やっぱり骨格もいいが、肉付きもよくないと、おいしくないわけです。(笑)

それと同じですので、概論を把握したら、こんどは各論をおもしろいところまで学ぶ必要があるのです。

逆に言えば先生を選ぶなら、概論も各論も良い先生を選んでください。

概論は「ふーん、なるほど」と理性的におもしろがれて、各論は「へえー、おもしろい!」と感性的におもしろがれるような人がいいと思います。

そういう教え方のできる人が、腕のいい先生だと私は考えています。

概論は難しいし、各論は細かいなあ、という感じが出たら、その先生のクラスからは出たほうがいいでしょう。

時間とお金の無駄になる可能性大ですので。

ということで、何が言いたいかというと、「概論」と「各論」のどちらも大事だ、ということです。

◆概論の学び方

概論は、全体を俯瞰して大づかみにつかめばいいわけですから、出てくる「論点」を把握してくださいね。

「論点」とは、言いたいことの柱です。

私の場合であれば、たいてい1、2、3、というように柱を立てて論じていきますから、「ふーん、この3つが必要なんだな」と把握して、「こういう理由でこの3つが要るわけだ」と理解していけばいいです。

「で、こういう流れで全体が回るんだ」というつかみ方をしてください。

あとで自分なりに全体の仕組みがつくれるように教えていますので。

ただ、わかったと思って実際にやってみても、意外にいろんなところでつまづくものです。

だからフォローセミナーとか、個別コンサルが必要になるのですが。

それは「知ってる」のと「本当にわかってる」ことの間に差があるからですね。

「本当にわかる」ためには実際にやってみて、つまづきを乗り越える必要があるのです。

そのときに、「概論」に戻ってきて、「ああ、これやって、これが来て、こうだったな」と学び直す必要が出るでしょう。

だから概論が必要なんです。

それも「優れた概論」が。

どういうことかというと、「たいしたことない概論」というのは、本で読んだことをまとめ直したものです、たいていは。

つまり言ってる人が知ってても、本当にはわかっていない、つまり実際やってみて、結果を出したことがない人が説く概論です。

そういう概論はただ難しく、ただ当たり前で、ただおもしろくありませんから、スルーしてください。

「優れた概論」とは、実際に成功して、わかりやすい説明のできる人が教えるものです。

全体がわかっていて、それを回して成果を出したことがあるから、その大事さを伝える。

そういう概論はバイブルになりますので、繰り返しマスターするまで学ぶことです。

私は少なくとも、本で読んだことをまとめるだけの概論は言いません。

◆これからの方針

「概論」についておおよその説明は終わりましたので、これから大きなテーマを取り上げるとき、時折「概論」を出そうと思います。

私の場合であれば、「概論」が出てきたら、何か大事なことを言おうとしていると捉えてください。

扱う対象が大きいので、まず全体マップを見せようとしていると思ってください。

たとえば、渋谷とか明治神宮前とか吉祥寺とか、おもしろいスポットはたくさんあるけど、その前に「東京」という全体地図を見せておこう、というときに「概論」を出しますので。

東京地図は、何かにつけ繰り返し見直さないといけないでしょう?

全体コンセプトを把握するのは、東京地図に通暁するようなものだと考えましょう。

それではまた。

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