腕のいいコンサルタントとは何か

遠江(とおのえ)です。

私はセミナーをやり、コンテンツを販売しますが、コンサルもやるので、きょうは3つ目の「コンサルタント」について思うところを述べてみたいと思います。

「腕のいいコンサルトとは何か」ということがテーマです。

◆セミナー力

まず私は、腕のいいコンサルタントとは、セミナーを開いて人を呼べる体系的知性が必要だと思っています。

「体系的知性」とは、物事の本質や秘訣を、川上から川下まで俯瞰するように整理できる知性のことです。

それも一つの狭い領域だけではなくて、さまざまな異質な領域を知っていて、それを組み合わせるシナジー効果を持っていることが大切だと考えています。

なぜならば、たとえば現代では異質な業界の成功要因を引っ張ってきて、自分の業界に応用することで、いくらでも問題を解決し、集客を増やし、収益を増やすことができるからです。

ある一つの分野に特化した知性では、堂々巡りの平凡な智慧しか出ないことが多く、これが行き詰まりの原因になりがちなのです。

それから「セミナーを開く力」がなぜ必要かというと、一種のショーウィンドウのようなもので、大勢の前で一定時間みずからの理論と実例を話せるかどうかが、実力の証明になるからです。

座談で話せても、人前で講義するともたないケースはいっぱいあります。

そしてそれは慣れの問題というようりは、実力不足が原因なことが多いのです。

さらにセミナーも一つや二つ開けるだけでは能力不足で、何十でも何百でも開ける実力があってこそ、クライアントの個別の問題に最適な解決法を引っ張ってくることができると考えています。

もちろん机上の空論の学者ではなく、実地に成果を出したことのある実績が求められますが、それは後で述べるとして、まず私はセミナーを開いて人を呼べるぐらいの体系的知性があるコンサルほど腕がいいと思っています。

実際、演台で話のおもしろい人は、対面でも興味深い智慧を差し出してくれますから。

◆問題特定力

次に、腕のいいコンサルトは、何が問題なのかを特定する力が優れた人のことです。

実はあらゆる悩みは、的確に問題を特定することで、ほとんど解決に向かっていきます。

いい問いを発したら、いい答えが見つかるのと同じ原理です。

そして多くの場合、どうすべきかが見えないのは、何が問題なのかがよくわからなくて、迷路に入っているからなのです。

どんな問題も、現実には混沌としていて、いわゆるどこから手を付けていいかわからないほど散らかってしまった部屋のようになっています。

いろんなコードが裏で絡みに絡まって、どれを引っ張っても余計に解けなくなっている状態であることがほとんどです。

しかし、蜜蜂の巣は複雑な迷路のようになっていても、すべては一匹の女王蜂のところにつながっていますので、大元がわかればすべての仕組みが解明されます。

たとえば、集客の仕方がわからないと思って悩んでいた人が、実は接客から販売に導く流れのほうが問題だというケースは、リアルの店舗でもネットビジネスでもいっぱいあります。

本人は集客が弱いからだと一生懸命努力しているのですが、実際は訪れた人を逃していることに問題の核心があることに気づいていないケースです。

また、逆の場合もあり、集客の方法論自体を間違えていて成果が出ないケースももちろんあります。

状況は千差万別ですが、真の原因に気づかなくて三年、五年と同じ所でぐるぐる回っているだけのケースがほんとうにいかに多いことでしょうか。

ですから、何が問題なのかを的確に見抜く「問題特定力」が必須なのです。

◆相手を導く呼吸力

問題を特定したら、次に必要なのが「ではどうすればいいのか」という答えを出す力です。

適切な解決策が出せるかどうかですが、現場まで入れば状況はほんとうに千差万別ですから、教科書に書いてあることを単に示すだけでは当然不十分です。

相手に応じたカスタマイズされた解決策をどこまで出せるかが勝負ですし、ここで必要なのは知識ではなくてむしろ推理力です。

個別の案件について、ワトソンが問いを発し、ホームズがそれに答えていくように、あくまでクライアントに合った解決策をオーダーメイドでつくる必要があります。

そしてさらに、クライアントが自分で解決できるように導けるかどうかで、コンサルの腕が分かれてきます。

教授力ではなくて、コーチ力が必要ということですが、理屈はわかっても実際にできる人は私の経験ではごく少数です。

それはなぜかというと、以前にも「いちど買ってくれた人を大切にする」という論考で言ったように、相手の呼吸を読んで、適切に導くスキルが不足しているからです。

下にリンクを貼っておきますので、同じ話は繰り返しませんが、要するに、気が合わなければ二人三脚での成果は出ないのです。

最初は二人三脚で行いながら、徐々にクライアントお一人で解決できるように、手を放していく呼吸が必要です。

「呼吸」ということを考えたことのないコンサルタントにこれはできません。

腕のいいコンサルには、正しい解決策を適切に導く「呼吸力」とでもいうものが備わっている必要があるのです。

◆成果を出せる実現力

さらに、すべてのベースに、実際に自分も成果を出すことのできる実現力が必須です。

人に教えることはできても、自分ではできないことを戒めて「JTBになるな」と言うことがあります。そこにお勤めの方はごめんなさい。

どういう意味かというと、実際にそこへ旅行したことがないのに、カウンターでそれを案内する人のことです。

「インドの旅はこういう経路がいいと思いますよ、私自身は旅行経験が乏しいですけど」という人の案内に乗ると、あとでえらい目に遭うわけです。

そうではなくて、実際に何度もそこを旅してきた経験を踏まえて、クライアントに旅行プランをアドバイスする人が本物なのです。

もちろん行く先は千差万別でしょうから、すべてを経験することができませんが、それでも体験豊富かどうかは決定的な違いがあります。

たとえば、自分でも集客して教育して販売し、十分な成果を上げた人なら、それを教える資格があるということですね。

実現力があるコンサルについて、はじめて実績も上がるというわけです。

しかし、実力はあっても導き方の下手な人はいますので、そこは総合的に判断してください。

◆まとめ

以上、腕のいいコンサルには①セミナー力、②問題特定力、③導きの呼吸力、④成果を出す実現力の4つがあるという話をいたしました。

「セミナー力」「問題特定力」「呼吸力」「実現力」です。

私もこの4つを深めるために、プロとしての腕を磨いております。

どこまで行っても奥の深い道なので、常に謙虚に精進していく所存です。

最後に、劉備玄徳は己の智慧だけで戦ったときは負け戦ばかりでしたが、諸葛孔明という参謀を得てからは連戦連勝で三国志を代表する英雄になった故事を引いて、終わりにしたいと思います。

いいコンサルを得て、あなたの時間とお金を増やすことをお薦めします。

こちらが「呼吸力」の大切さを説いた別論考になります。

いちど買ってくれた人を大切にする

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