ケーススタディの威力

遠江(とおのえ)です。

少年の頃、大阪の千里ニュータウンのマンション街を眺めてこんなことを考えました。

「あの窓の一つひとつに、それぞれのかけがえのない人生がある。

素晴らしいドラマが、いっぱい詰まっているの違いない。

それを全部知りえない自分が、とてつもなく残念だ。

だけど、せめて自分の出来る範囲で、素晴らしいドラマをたくさん経験したい。」

いまでもそのときのことを鮮明に思い出します。

前回は「考える力」について述べました。

きょうは、「考える力」をサポートする「ケーススタディ」についてです。


◆理論とケーススタディ

学問では、まず抽象的な理論が説かれることがほとんどです。

その主張するところ法則化などして、簡潔に述べるわけです。

理論を知れば、すぐに実践に移せる人は頭のいい人です。

あるいは、すでにその分野で研究していて、基礎をマスターしている人です。

しかし多くの人は理論だけで実践できないので、
そのあとに「実践論」が説かれることになります。

どうやってその法則を使うか、というさらなる説明です。

その実践論によく使われるものが「ケーススタディ」です。

「どうやってそれを使うか」を理解するには、
いくつか事例を見せてもらったほうがわかりやすいからです。

ですから、何かを有意義なことをマスターしたいと思うなら、
「理論」と「ケーススタディ」を知ればいいことになります。


◆高速道路のたとえ

たとえていえば、「理論」とは「高速道路」のようなものです。

これを自由自在に使えるには、一定の投資と運転技術が必要ですが、
使いこなせれば速く遠くに行くことができます。

一方「実践論」とは「下の道」のようなものです。

ガソリン代以外にはお金もかからないし、運転技術もそこそこでいいですが、
ゆっくりと近場に行くほうが得意で、速く遠くにはいけません。

しかし、高速道路よりは親しみやすいところがあります。

そして、言っていることはわかるのだけれど、
なかなか実践ができない場合は、
まず下の道に精通すべきなのです。

実践論の勉強と、ケーススタディに通じておきましょう、ということです。


◆初心者にお薦めの道

ところが、高速道路は数が少なくて済みますが、
下の道は無数に必要です。

高速道路はみんなで共通に使えますが、
下の道はそれぞれ違った道を使う必要があるからですね。

だから、「実践論」とか「ケーススタディ」は、
ほんとうは大きなセミナーで聴くだけではよくわかり切らず、
個別に「あなたの場合だとこうですよね」とカスタマイズして教えてもらわないと、
なかなか自分に当てはめられないものなのです。

これが個別コンサルティングというものが有効になる理由です。

自分向けに手取り足取り教えてもらわないと、
なかなかできるようにはならない、ということですね。

で、運転に慣れれば、自分で高速道路を駆けることができるようになるのですが、
初心者のうちは絶対に下の道で練習しておくべきです。

上の道は流れが速いので、
運転を誤ると大事故になってしまうことが多いからです。

ビジネスに当てはめれば、大損してしまうことに当たります。

乗り始めたばかりで、再起不能の事故を起こしてはなりません。


◆ある女性の事例

ここでひとつ、ケーススタディを出しましょう。

あるとき、地方から五十年配の女性が私のセミナーにいらっしゃいました。

「どうすれば小さなビジネスを起こして、お金を稼げるようになるのか」
というのがその方のニーズでした。

訊くと、子供も巣立ったので、これまで専業主婦だったが、
第二の人生はもっと経済的自由を得て、自分の本来やりたいことをやってみたい、
という強い意気込みを持っておられたのです。

ところがワークショップ(自分で課題を考えてみること)の時間が始まると、
課題を与えられても何も考えつかず、メモする手は止まり、
しばらくすると睡魔にやられてうつらうつらし始めました。

そこで私は休憩時に近づいて、彼女の置かれた状況をお伺いし、
そのうえで、ご本人に合っていると思われる事例をいくつか紹介しました。

それは主として、仕事を持っていなかった女性が、自分でお金を稼げるようになり、豊かになったお話でした。


◆画廊付きカフェ

すると興味深そうに聞いておられた女性は、その事例に刺激を受けて、自分のことも具体的に考え始めたのです。

「私は主人が画廊なので、画廊付きカフェをしてみたい」と思いつき、
人が変わったように一生懸命考え始めたのです。

具体的なビジョンができると、公案はさらなるアイデアを出す最高の刺激となるようです。

ワークショップの後半に入って、その女性に、もういちど転機が訪れました。

最初の案よりもっといい次の案が生まれたのです。

「画廊付きカフェより、遺品整理業のほうがいい」と気づいたのです。

訊くと、「昔、知人の老婦人に遺品整理をやってあげたことがあり、
古いアルバム写真をデジカメで撮り直し整理してあげたりなどしたら、たいへん喜ばれた。

高齢化社会が進むと、このニーズはますます大きくなるはずだ。

カフェには初期投資が要るが、遺品整理はそれが要らない。

やってほしそうな人も、何人かすぐに思い浮かぶ、ということでした。

私もお伺いしていて、第二案のほうが優れていると思いました。

実は、最初の発見をずっと掘り進んでいくと、次に、別の横穴がよく見つかるのです。

これは、初めの段階では決して見えないのですが、一つトンネルを掘っていくと、どこかでもっといい道が見えるのです。

そして、第一案よりもっと成功することが多いのです。

この女性は、セミナーが終わると希望に満ちた目をキラキラさせて帰っていかれました。

いまごろがんばっておられることと思います。


◆ケーススタディの威力

このように、ケーススタディは実践を助けます。

ですから、私は数多くのケーススタディを集めていますし、また、みなさまから事例を学んでいます。

こうして、あるテーマのもとに事例が集まってくると、実践へのうねりができてきます。

そのうねりに入ると、一種のワームホール(宇宙の高速道路)のようなものができて、
自分一人では行けないところまで行けたりします。

年収一千万円を目標にしていた方が、一桁上がって一億円になることだってあるのです。

実践しなければ、あなたには何事も始まりません。

しかし、実践するにはいろいろな心理的抵抗が出てくるものです。

その壁を突破するときに頼もしい力を与えてくれるのが「自分に合ったケーススタディ」です。

あなたもも、ぜひ「自分に合ったケーススタディ」を手に入れてください。

そしていずれ、自分の成功談を人に教えられるようになってほしいと思います。

それが智慧を愛に変えて人に与える道だからです。

ではまた。

さらに「あなたに合ったケーススタディ」を知りたければこちら。
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