決める力

遠江(とおのえ)です。

もし、ビジネスにおいて最も大事な力は何か?と訊かれたら、私の答えは「決める力」ということになるでしょう。

「決める力」とは決断力のことです。

これがなぜ最も大事かというと、ビジネスにおいては行動しなければ何も結果がでません。

そして何か行動を起こすには、必ずその前に「決断」が要るからです。

ですから決断力のない人は、必ず行動力がありません。

だから結果が出ないのです。

「決断」というものは、煎じ詰めると最後は二者択一に必ずなります。

やるかやらないか、Aを取るかBを取るか、というシンプルな問いにぶつかるようになっているのです。

このとき、最もいいやり方は「即断即決」です。

これはとても大事なことなので、なぜ大事なのかポイントをいくつか挙げて解説します。

◆1、まず即断即決は、時間を短縮します。

時間は人生において有限の資源なので、この時間を浪費することが最もまずいことなのです。

即決する人はその場で答えを出しますが、逡巡する人はいつまでも悩みます。

ここで時間の差が圧倒的につくことに気づかねばなりません。

即決した人は、次の瞬間には別の課題に取り組み始め、またどこかで二者選択が出たら即決して前に進む。

逡巡する人は行きつ戻りつしながら決心がつかず、誰かに訊いてみたら別々のことを言われてさらに迷い、結局保留のまま先送りします。

しかし、前へ進もうとするとどこかで必ずその問題が出てきて、だんだん膠着化し、蔦(つた)が絡み始めて、ますます決断が難しくなってそこでゲームセットです。

◆2、即断即決は悩みを減らします。

即断即決は一瞬で迷いを断ち切って、先に進みますから悩みはありません。

しかし逡巡すると、ずっと迷いを引きずり、やがてそれは悩みに変わります。

特に怖いのは、一つの問題で逡巡しているうちに、別の問題が出てきて、悩みが複数になることです。

どんな勇者も悩みを三つ以上抱えると、動けなくなってきます。

そしてそういうときに、四つ目の敵が現れて、これにやられてしまうのです。

一対一なら決して負けはしない相手なのに、こちらが重荷をいくつも抱えているので、敵の剣をよけきれなくて倒されます。

だから、最も危険なのは悩みを溜めこむことなのです。

ストレスを溜めこむことが癌の原因であることが、最近の研究でわかってきています。

そのストレスの真因は、決断すべきときに決断できず、宿題を溜める傾向性にあるのです。

しかし即決する人は、いつも宿題を持たず、身軽に歩いていますから、ストレスもなく、敵が出てきても全力で戦えます。

だから悩みを減らすためには、即断即決が必要なのです。

◆3、即断即決は時間を増やします。

即断即決する人は、次々に仕事を片付けていきますから、いろんな経験を積むことができます。

そしてたくさんの人と関わることができるので、さらに世界が広がります。

マルチ人間になると、早朝と午前中と午後と夕方で、それぞれ別のことをやっていますから、一日で四つの顔を持つことができたりします。

そこでもどんどん即断即決して仕事を進めますから、結局、大きな組織を回すことができるようになり、仕事が大きくなるのです。

しかも、夜の時間はしっかりプライベートで取れるようになります。

つまり、即断即決することで自分の時間を増やすことができ、人生が充実するのです。

逡巡するタイプの人と大差がつくのがこれでおわかりでしょう。

◆4、即断即決はチャンスをつかみます。

超一流の人は間違いなく即断即決系なので、こういう人と一緒に仕事をするには、こちらも即断即決でいかねばなりません。

だいたい超一流の人は、リハーサルに時間を取りません。

いつでも本番ができる状態で、たとえば収録でもすぐに撮り終えてしまいます。

昔、フランク・シナトラがボサノバ界の巨匠アントニオ・カルロス・ジョビンのところに電話をかけてきたそうです。

ジョビンは若い頃からシナトラと共演するのが夢でしたから、天にも昇る気持ちです。

そのときの超一流同士の会話を再現します。

シナトラ「君とアルバムをつくりたいのだが、どう思うか教えてほしい」

ジョビン「光栄です。喜んでやりますよ」

シナトラ「新しい曲を覚えている暇はないし、リハーサルは大嫌いなのだ。一番よく知られている曲でいこう。古典といわれる曲だ」

これで話は決まりです。

スケールがまったく違いますが、あえてわかりやすくたとえれば、矢沢永吉が木村拓哉にいきなり電話をかけてきて、30秒で共演を決めたようなものです。

実際、シナトラとジョビンの共演アルバムは1967年に出て大ヒットし、二人はテレビでも共演して、その映像はクラシックとなりました。

ジョビンは超一流のシナトラと共演したお陰で、アメリカに確固たる足場を築くことができたのです。

この一瞬の決断で、何百億円もの富が引き寄せられたわけです。

あのときジョビンが、「ええ…、嬉しいですがちょっとマネージャーと相談させてください」とためらったら、一切の話は流れただろうと思います。

これぐらい超一流の人間に流れている時間は速く、幸運の女神は前髪をサッとつかまないと一瞬で通りすぎてしまうのです。

◆まとめ

このように、「即断即決力」は「時間を短縮し」「悩みを減らし」「時間を増やし」「チャンスをつかみます」。

富の神様は、即断即決する人を好みます。

最後に、鉄鋼王アンドリュー・カーネギーが、青年ナポレオン・ヒルに言った有名な言葉を覚えておいてください。

「君は私のオファーに29秒で『イエス』と言った。

よろしい。

君以外の何百人かは、みんな決断が遅かった。

しかし、この手の決断に30秒以上かかる奴は、なにをやらせてもしくじるのだ

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