富裕層高齢者向けビジネスの可能性

遠江(とおのえ)です。

私の友人に、広尾で富裕層の高齢者向けに家事代行サービスをしている人がいます。

先日会って話をしたら、私の「智慧を富に変える」という事業コンセプトに興味を示してぜひ一緒になにかやりたいと言ってこられています。

まぁ一緒にやるかどうかはまだわかりませんが、私は発想の筋として、これから「富裕層の高齢者向けビジネスは発展する」と考えていますので、そのことについて述べてみます。

日本でいまいちばんお金を持っているのは高齢者です。

もちろんピンきりで資産格差はいろいろありますが、貯蓄も資産も年金給付も、最もあるのは高齢者だからです。

そして、高齢者は足から弱るので、行動力が落ち、たとえば買い物も重いものを持って歩いて返ってくるのが困難になっているのです。

あるいは家の中が物だらけになったり、電化製品が故障したりしても、容易に解決することができず、かなり不便な思いをしている人が増えていると見ています。

この「困っている人の役に立つ」というのが、富の本質であり、それこそが儲かるビジネスの基本形なのです。

ただし、誰もがそのように考える競争の中で、しっかり成功するためには智慧ある差別化されたビジネスモデルが必要です。

陳腐化したサービスでは集客もできなければ、できても薄利多売で儲からない構造に陥ってしまうからです。

だからこそ「智慧を富に変える」ための「筋のいい発想」がこれからますます必要になるのです。

◆安心

では、富裕層の高齢者向けサービスに成功するための「考え方の筋」とは何でしょう。

私は「安心」「便利」「高額」がポイントになると考えています。

富裕高齢層にかぎらず、日本人全般として「安心」に対するニーズは高いと私は見ています。

自分に近づいてくる者が、信頼できて、安心できるかどうかが、商売成立に決定的に重要なのです。

だからいかに警戒心の扉を開いてもらえるかどうかが、このビジネス設計には不可欠なのです。

セブンイレブンの鈴木敏文さんが、御用聞きサービスを始めておられ、コンビニの店員が顧客のドアをノックして、商品の注文を取っています。

いつもの店員が訪れてくれることで、顧客は安心し、予定していた注文以上のものを買ってくれるケースが増え、商売は順調に発展しているとききます。

同業者の殆どは御用聞きの実務を別の委託業者に頼んでいるので、知ってる顔が来るのと知らない顔が来るのとの信頼度の差は大きいのです。

この「リアルの店舗で顔見知りの店員が御用聞きに来る」というビジネスモデルは「安心」を差別的に獲得する優れた発想であり、「それは忙しい」と抵抗しがちな現場を説得しきって業務を確立した鈴木敏文さんの腕力の強さには、ほんとうに敬服いたします。

さて、このような大企業の参入に対して、小ビジネスがいかに対抗するか、この「安心確保」にブレイク・スルーするところがこれから大儲けします。

◆便利

つぎに「便利」ですが、これは富裕高齢層向けビジネスの核心です。

いかに不便に思っている困ったを解消するか、いかに魅力的な提案をするか、このサービス設計が収益を上げる命です。

電化製品の取り扱いがわからないところを全部代行するサービスで成功している中野の電気屋さんもいます。

家の中の不要品を処分して、快適に住める環境整備を代行するサービスで予想以上の収益を上げている起業家もいます。

件のセブンイレブンは、高齢者向けの減塩健康弁当を宅配するサービスを拡大して、莫大なマーケットにリーチし始めています。

いずれも自分でやるのは面倒であるという「不便」を「便利」に差し替えるサービス設計です。

ここにいかなるニーズを発見するのか、ここが智慧の絞りどころとなります。

しかし、これからも高齢者人口はどんどん増え、体の弱る人も多くなるので、「困った」はさらに増大することが明確です。

人間は「困っていること」「痛いこと」「つらいこと」を解消するためにはお金を出しますので、まだまだマーケットは潜んでいると私は考えています。

この「便利」の発見に成功すると、小ビジネスが中ビジネス、大ビジネスへと発展する可能性も十分にあるでしょう。

◆高額

最後の「高額」は、私は小ビジネスを念頭に置いて言っています。

大ビジネスはたとえばセブンイレブンが500円で減塩弁当を毎日届ける、といったように低価格で設計することが可能です。

しかし、小ビジネスで低価格路線を取ると、貧乏暇なしの世界に呑み込まれていくのと、その上で価格競争に晒されて赤字撤退に追い込まれるリスクから逃れられません。

だから、ある程度高くても満足していただけるサービスを見つけて整備する必要がどうしてもあります。

このあたりでかなりやれることが絞りこまれてくると思いますが、その小さなグリーンにオンすることで小回りよく莫大な利益を稼げるのが小ビジネスの特権なのです。

これをやりとげるには「異質結合による新発想」と「徹底的な仮説・検証」のサイクルを回す必要があるでしょう。

でも動きののろい恐竜より、素早く動ける小動物のほうが、アイデア・実験・改善の回転を回して、早く正解に辿り着ける可能性があるのです。

そして、富裕高齢層はお金を持っていて困っていますから、やはり美味しい市場であることは間違いないのです。

一般論プラスアルファのレベルに止めて、智慧を述べてまいりました。

ここから先は企業秘密ということになります。

それではまた。

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